この物語には二つの軸があります。
一つ目の軸は「二人の関係性」。少しあらすじを整理してみましょう。
――オルディナの魔女と呼ばれる主人公。
彼女は人々から恐れられ、孤独を抱えて生きてきた。
その転機は、成り行きで奴隷の少女を救ってしまったこと。
少女が向けてくる純粋な感情。
彼女はそれに戸惑いながらも、不器用な優しさで応えようとする――
タイトル通り、人との関わりに不慣れな魔女が不器用ながら奮闘する姿が、読者の心を揺さぶります。穏やかな日常のワンシーンに読者の口端があがってしまうようなやりとりもあり、好きな方は多いでしょう。作者自身、百合好きを自称しておられます。
そしてもう一つの軸。
それは、彼女を魔女として迫害する教会との戦いです。
守るものを得たオルディナの魔女の戦闘は、決して爽快なものではありません。
――汚れた手であの子の手を取るわけにはいかない。
そんな苦悩と共に描写される悲痛な戦闘が、読者の胸を締め付けます。
大切な日常の穏やかさと、迫害と殺戮によって生じる悲痛さ。
そのギャップが本作の魅力です。切ないのが好きな人には刺さるかもしれません。
文章や構成にはところどころ粗削りなところがあります(現状星2つなのはそれが理由)が、上記の内容に惹かれる方は読む価値ありです。
(プロローグの重厚なファンタジー設定が苦手な場合は、先に二人の出会いが描かれる「腹ペコ魔女と奴隷の少女・(前後編)」を読んでもよいかも……?)
追記:最新話は今3章ですが本格的に物語が動き始めてかなり面白いです。文章も洗練されて読みやすくなってきたため評価を星3に変更しました。