黄金の記憶

ファシャープ

第1話

電車に照らされる君の半分が、


儚くも美しく輝いて見えた。


長いまつ毛に絡む光が


眩く僕の方を向くのであった。


そのまま崩れてしまいそうな、


今にも流れ出しそうな君がどうも


僕は忘れられないみたいなんだ。


外を見る君がたまらなかった。


どこか懐かしさを覚えるその顔が、


僕の目から離れなかった。


トンネルに入ると悲しい顔をしたような、


そんな気がする。


青春の波に飲まれた僕らは


心地よく溶けていくようだった。

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黄金の記憶 ファシャープ @Fasharp2

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