世界に嫌われたとしても
つばめいろ
第1話
ある日から世界が敵になった。私がいるところは必ず雨になる。他にも人も敵だ。歩いてるだけで罵声や石が飛んでくる。なんで世界が私に嫌がらせしてくるのかなんてわからなかった。だから私は、家に引きこもるようなことはせず、反抗して普通の生活することにした。普通に学校に行き、先輩に会いに行く。どういうわけだか、先輩だけは他の人のようなことはしない。私が部室に入ってもいつも通り、静かに本を読んでいる。
話しかければ多少の返答がある。多少素っ気なくなった気もするが、ほとんど変わっていない。
「世界に嫌われてるのっていつまで続くでしょうかね」
私は先輩に話しかける。「さあな」と短く返答が飛んでくる。短くても返ってくることが嬉しい。
こんな先輩のことだ、人を嫌うなんてことが苦手なんだろう。だから、私が全てから嫌われても先輩だけ返事をしてくれる。先輩だけが私の特別。案外この世界も悪くないかもしれない。思わず口元が緩んでしまう。
世界に嫌われたとしても つばめいろ @shitizi-ensei
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