天才ラッパーが転生したら戦国時代だった件。~言葉の力で天下統一！？！？

興奮した客の叫び声、そしてスピーカーから流れる大量の重低音、俺の声が、言葉が、いつものクラブに響き渡る。今はライブの真っ最中だ。

「ジョウ最高だ！！！！！！！！」

曲が終わるといつも客はこう叫ぶ。

この瞬間は何にも変え難い最高の瞬間だ。

俺はずっと、、この世界に居続けたい。

そう、、思っていたのに、、、、、

ライブが終わりいつものBARで先輩のタクヤさんと飲む。「今日も最高だったよ！」長い髪を太い腕を使ってまとめ上げながらタクヤさんは言う。

「ありがとうございます。」

注がれたウィスキーを飲みながら俺は丁寧に返した。

「固いよー。」タクヤさんは笑いながら言う。そして立て続けに「今ではさ、ジョウの方が売れちゃって、、テレビでも引っ張りだこ！Instagramなんか百万人もフォロワーいてさー」

、、俺が反応に困ることをつらつらとタクヤさんは言ってくる。。

俺は重い口を開いてこう言った。

「いやいや、、タクヤさんのおかげっすよ。

こうなれたのも。」

タクヤさんは顔を赤くしてこう言った。

「俺のおかげか、、」

その通りです！　と俺が言おうとしたその瞬間だった。。

「よく言うよ」

俺は言葉を失った。。あんなに優しくていつも笑ってばっかのタクヤさんが急に表情を変え恨みに満ちた表情でこっちを見つめる。

「お前のせいで、、」　

え、、、今、なんて

脳が処理を追いつかないまま思わず口を開く「え、、」言葉を失うとはこう言うことを言うのだろう。何も言えない。何も言うことができない。

そう戸惑っているとある一つの異変に気がついた。

目がクラクラする。。さっきとは一変して視界が歪む。いつものBARの古びた天井とシミのついたマットが交互に見えるだんだん瞼が閉じていく。その瞬間。確実にタクヤ先輩が笑っている顔が見えた。

怒りや憎恨などと言う感情ではない。

ただ一つだけ、なぜ？？疑問の感情だけが俺の心の中に残っていた。。

そして気づいたら俺は気を失っていた。

はずだった。。

目が覚める。すると真っ先に俺の耳に「カキーン」「カキーン」と言う鋭い金属の音が聞こえる。

え、、　俺は再び言葉を失う。

いやまさか、、、そんなはず、、、

「出陣だ！！！！！！！！」

動揺を隠せない俺の耳に時代劇でしか聞いたことない言葉が聞こえてくる。

嘘だろ。。。

俺は、、戦国時代に来てしまったのか！！！？

続く