げんだいじんに警鐘~ランダム性に対して~
一筆書き推敲無し太郎
第1話
げんだいじんに警鐘を鳴らす。それはランダム性に対して不寛容ではないのか?
耐性が退化しているのではないか?実例を挙げて検証していく。
まず、私が憤った要因として一つの寿司屋を挙げる。それは「回転しない寿司」屋だ。これは言語道断である。回転寿司と高級店の寿司屋の差異を挙げているのではない。回転寿司屋の体をしながら、回転しないことを宣伝に使っているのだ。令和も始まったころに備品を損傷させる、性善説を無視する暴動が起きた事は記憶に新しい。その際にコロナ禍も相俟って回転寿司屋の衛生問題が提起された。寿司の皿にはカバーで覆われ、あまつさえ回転しないままレールが物悲しい形骸化した物体として扱われた。コロナ禍を明けた今日この頃、寿司屋業界にも回転が戻り、備品は戻らずとも事変前の状態に戻りつつあることに歓喜したいところだった。そんな矢先に回転しないことを宣伝材料にしているのだ。
ここで、寿司屋でのランダム性を考える。平成期とコロナ期を分けるため、便宜上平成期と呼称する。平成期であれば回る寿司屋に行けばカバーで覆われることもなく、寿司がテーブルのもとに「食べて」と顔を覗かせていた。それにアソビを感じている人間が多かったことは事実だ。 しかし現代は寿司はカバーで覆われており、顔を覗かせず、あまつさえ回転寿しを謳うのに回転させていない場合すらある。 感染リスク低下やSNSテロの防止策として機能しているがこれらは本来の回転寿しのランダム性を排斥している。 さて、回転寿しの本質はランダム性と定義した。
回転寿司屋はファストフードか?という議論にも発展するが、ここでは専門外とする。
ここにきて核心に移る。「現代では個人主義が浸透しているため、ランダム性は好まれない傾向にある。選択できることはランダム性からの回避と取れる。」
好きな寿司だけ、選ぶ。それだけ食べる。一期一会的な寿司を排斥し、欲望のまま寿司を貪る。これがランダム性の楽しさ・アソビを奪取してしまっている。
寿司だけが例示ではない。次の事例は少しマニアックになるが、版権ものの配布だ。
これはアクリルキーホルダーなどの小物やバッジなどが該当する。 版権もののため、各人には「推し」なるものが存在する。これらを欲しいがために環境的に問題のあるプラスチック物質を溶かして高額で売りつけているビジネスモデルだ。 さて、受注生産ではない場合、ランダム配布が専らだ。この場合、平成期であれば一期一会に感謝する、よほど交換したければその場の交友関係で交換するのが専らであった。 現代では個人主義の台頭により、必ずしも当たりでなければ讓渡を標榜したSNS発信・転売・ランダム配布を敵視するなど根本を否定する行動や言動が多いと見受けられる。
ランダムは悪か?否、価値観の変容である。質的変換だ。現代では情報が散見されている。平成期であれば、フリマなどは交流センターなどが設けられているときのみ行えるが、現代ではSNSでどんな方法でも版権でも譲り渡しが可能だ。情報が多すぎるのだ。
ランダムは悪か?否、現代人でも楽しめる隙間はあるだろう。金で解決するから良しとするのは器量が小さい。ランダムで得たものを享受する余裕がないのだな?それはそうだろう。可処分所得の中でランダムが発生するとしたら苦痛を感じるのも理解できる。しかしここまでランダム性に関して詳らかに見て来たわけだ。次にランダム性が訪れた際にはランダム性を享受してみてはいかがだろうか。
ランダムは悪だ。環境問題に寄与しておらず、要らないものを要らない人に押し付けているのだ。それは廃棄される可能性を示唆している。ランダムによって環境破壊されている場合を無視できない。
ランダムは悪だ。ハズレを愛でているほど、目出度い人間ではない。コレクションするにももっと欲しいものがあったもんな。そうだよな、ランダムは搾取か?それもそうだ。受注生産がない形式ならSNSで炎上する契機はあるもんな。欲しいものだけ、欲しい。強欲ではない、それが現代では為せるから欲しいのだものな。
ランダムは賛否なのか?ランダムは平成期に置いて行かれた古い価値観なのか?現代にはそぐわないのか?消費者が求めているのはランダムなのか?別段二項対立の観点で話をしているわけではない。なぜなら主題はランダム要素の耐性が退化していないか?という警鐘が目的だからだ。
「受注生産なら不幸が産まれないか?」
21世紀型問題は正解のない時代だ。受注生産についてはランダム性を完全に廃止することが合理的解決となることは明瞭だが娯楽性が薄れる。しかし許容できる範疇と考える。それはこれまでランダム性に憤慨している層の購入性介入が伺い知れるからだ。
消費者は慣れてしまうと便利さに気づく。
QOLを下げまいと企業に努力を促す。
留まるところを知らない。
ランダム性を排他した販売形式を求める。
ランダム性を排他していない販売形式にケチをつける。
ランダムは悪なのだろうか。
ランダムは善なのだろうか。
あなたの価値観を拝聴したい。
げんだいじんに警鐘~ランダム性に対して~ 一筆書き推敲無し太郎 @botw_totk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます