「書く習慣」より

荒城美鉾

第1話 ふたり

「あー、やっぱりちょっとシャドウ濃いかな」

そんなことない、綺麗よ。

「今日は朝一で会議だから気合入れて行かなちゃ」

そうね、しっかりコーヒーでも飲んで目を覚ましてね。

「あっ、この事件、犯人捕まったんだ」

あらほんと、あなた、気にしてたものね。

「あは、いやだな、独り言が多くなっちゃって──やば。もうこんな時間。行ってきます!」

はい、いってらっしゃい。気をつけてね。

早く帰ってきて。

──待ってるから。


私は一人暮らしの彼女に、そう声をかけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る