第5話 全校集会
※美味しいコーラ飲みたいですよね。飲みながらゆっくりしていってくださいよ。
今日は全校集会の日だ。全校生徒が体育館内で待機している。全校生徒達が綺麗に並んだ状態を見た吉兼は、バグのない状況にどこか安堵の表情を浮かべる。
教員達がゾロゾロと入ってくる。そして廊下から一定リズムを刻むようにドラム缶が金属バットで叩かれる音が遠くから聞こえた時点で吉兼は悟った。そして「あ、これダメなやつ」と心の中で発言するも程なくして教職員達が入ってきた。
「全!全!全!...全!...全!...全校生徒!...全!...全!...全校生徒!...全!...全!...全!...全!」
「......。(おいやめろ。雁首揃えて上半身プロペラ運動しながら入ってくるな。)」
「全!全!全!...全!...全!...........
「......。(金じゃねーよ。)」
教員達が上半身をプロペラの様に高速回転させ入ってきた。そしてバグのスイッチが入った。
1年生達は上半身が体育館の天井まで伸び上がり
2年生は錐揉み状態で宙を舞い
3年生達は逆さになって床にめり込みもはや足しか出ていない。
校長先生 ご挨拶
近藤が壇上に上がりそのまま高くバウンドする。
「うーいうーいアラガデロー!うわあああああああ!アラガデロー!」
「......。(おい校長の話だぞ。近藤バウンドするな。)」
近藤はバウンドしながら後ろへと下がってゆき、首を捻転させた校長が壇上に上がってきた。校長はマイクの前に立つと話し始めた。
「 お っ ぱぃ 」
「......。(帰りやがれ。)」
「皆さん....ンンンなさん!...ほんじ...は天気も快晴で...春の木漏れ日...をおほっ♡...おほっ♡...おほっ♡...ダンコン♂FIRE♂Everyday♂...!」
「......。(おい誰かケーサツ呼べ。)」
「一年生...皆...殺...コックローチ!」
「......。(つくづく物騒な学校だ。)」
「慣れないこともありますが、期待を膨らんじまう!部活動動動...膨らんじまう!」
「......。(お前の顔が膨らんでいってるぞ。おい近藤戻ってくるな。校長お前もバウンドするな。)」
もはや全校集会の程をなさないカオスな情景に吉兼は肩を落とすが、そんな彼を嘲笑うかの様に座っていた教員達が無言でミサイルとなり飛んでゆく。
「......。(帰ろう。)」
吉兼は体育館を後する。彼に声をかける女子生徒がいた。
「...待って吉兼君!」
声をかけてきたのは二つ隣のクラスの学校の高嶺の花と言われる美少女だった。
「吉兼君!大丈夫?どこか痛くない?」
「......。(頭で滑りながら近づいてくるな。軽くホラーだぞ。)」
吉兼は高嶺の花と言われる女子生徒の後ろの体育館の中を覗いた。ドラム缶を金属バットで殴った音と共に全校生徒及び教職員の皆様方が錐揉み状態でバウンドしている。
吉兼は帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます