第21話 明未と蘭、家出を決意する!1(明未の視点)
2028/11/3(金、祝)PM3:00
わたしは、早く打ち上げに参加したい一心で、クラスの後片付けを早く終わらせ、漸く終わって帰ろうとすると智枝がニヤニヤしながら。
「智加、おとーさんが『一旦家に帰って来い、言う事聞かねえとブン殴っぞ!』だってよ?」
「そんなー!、皆には『後片付けが終わったら行く』って言ったのに…。」
「知るかよんなモン。それにどの道、保護者であるおとーさんが駄目っつったら駄目だろうからよ。例えヅラ男やあひる達が何言って来ようともな!」
確かにそうだ。わたしの保護者は、、飽く迄も鮫妻国太だ。その人が駄目だと言ったらそれに従うしか無い…。憂鬱な気持ちで智枝と一緒に家に帰ると、お父さんが出迎えて来た。
「おお、お帰り智枝!。2人共茶の間すぐ茶の間に来い、そこで打ち上げやろうや」
「わたしこの後、あびるお姉ちゃん達とーー」
「うるせえ、いいから言う通りにしろ!。あいつらには俺から言っとくからよ」
仕方なくわたしは、帰宅早々お父さんの命令に従って茶の間に入ると、お母さんと知らない男性が居て、お父さんがこう切り出す。
「智加、こいつは高校時代からの親友で、安藤 透って言うんだ。安藤はテストでいつも学年トップで、俺も母さんも毎回勉強教えて貰ってたんだ。智加は安藤の隣に、智枝は開いてるトコにそれぞれ座れや」と言われ、お父さんの命令で仕方なく安藤さんの隣りに座った。わたしはさっき迄後片付けしてて埃臭いからあまり人の隣りに座りたくないんだけど、ましてライブで汗もかいたから尚更…。
「智加ちゃん、歌上手かったね~。けどそれ以上に可愛かったよ」と安藤さんがそう聞くと、わたしは「は、はあ…。有り難う御座います」と返すと安藤さんは何を思ってか?、わたしの髪を手に取って匂いを嗅ぎ出した!。
「あ、あの…。何をしてるんですか?」
「ああ気にしなくても良いよ。ところで智加ちゃん、もう生理来た?」
と唐突にそう聞いて来た。生理って確か、お腹が痛くて苦しくなり、アソコから血が出て来る、赤ちゃんが作れるようになる体のサイン、って保健の授業で言ってたような…。
「いいえ、それらしい兆候はまだ来てないですけど…。それが何か?」
「じゃあ大丈夫だね。国太、智加ちゃんとS●Xしても良い?」
「おおイイぞ、やってやれ!」
「あの『●っくす』って何ですか?」
とわたしが聞くと安藤さんが何を思ってか?、いきなり口づけをして来た!
瞬間その生暖かくて気持ち悪い唇から「なっ!、何するんですか?」と言いながら急いで離れるわたしを、安藤さんは両肩を掴んで押し倒して来て、「大丈夫だよ、優しくやってあげるからね~♪」と気持ち悪い微笑みを浮かべながらそう言った。
「あびるお姉ちゃん!」と言ってる最中にお父さんが「ドガッ!」とわたしの顔の傍の畳を殴り出した。
「静かにしろ!、でないと今度はおめえの顔をブン殴っぞ!。それにおめえ、ヅラ男を説得出来なかった罰だ!」と怒鳴られ、安藤さんの行為(好意)に耐えつつ、要求にも応えるしか無かった。詳細は語れない(語りたくない)が、兎に角痛いし、臭いし、吐きそうにすらなった…。本番行為から約1分後。
「うおー晃子ちゃ~ん!」
安藤さんがお母さんの名前を呼びながらそう叫ぶと、わたしの体の中に何かが流れて来る感覚がした。痛みと恐怖と気持ち悪さに耐えながらお母さんを見ると、いつもの能面の笑みが、心なしか引きつっていた。まるで(気持ち悪っ…。)と言いたげな顔をしているかのように…。
その横に居るお父さんが「そう言えばお前、母さんの事好きだったからな~。だが俺が居る以上手出しさせねえぞ」と言っていた…。智枝はニヤニヤしてスマホで安藤さんの行為を撮っていた。
行為終了後、安藤さんが恍惚の表情を浮かべながら「いや~気持ち良かったよ智加ちゃん、前々から女子●学生とヤッてみたいと想ってたんだよ、それが晃子ちゃんの娘とデキて最高だよ!。今夜もヤろうね?、俺今日ここに泊まってくから明日は土日で休みだから俺の会社。それと次は年末年始に来るから、その時も又シようね♪。後、ヅラ男に会ったら言っといて。『今度お前のケツの穴も掘ってやるよ』って」と色々気持ち悪い事を言い出した。
「良かったな、ヅラ男とも兄妹になれそうでよお!」とお父さんが言うと、智枝が「何で智加がヅラ男と兄妹になるの?」との問いにお父さんが。
「それも飯食いながら教えてやる。それより智加、この事を警察やヅラ男達に言ったらどうなるか解ってるよな!。あと今日はもう外出禁止だ、家から1歩も出るなよ、解ったらさっさと部屋に行け!」と一喝して来て、智枝が。
「ぜってー誰にも言うなよ、この動画をデジタルタトゥーにされたくねえならな!」と恫喝して来た。わたしは、股下が痛くてガクガクさせながら歩き始めた、そしてすぐさま安藤さんが。
「国太、智加ちゃん警察に言ったりしないよな?」
「大丈夫だ。こいつは俺に絶対逆らえねえし、ヅラ男なんかどうとでも出来る。むしろあび助の方が厄介だ」
「相当頭の回転速えからな~、あひるの奴…。」
「そうね、ふふふ」
とお母さんが笑いながら語り合う彼等を尻目に、茶の間を後にした…。
わたしは部屋で泣こうと思ったが、今ここで大声で泣いたらお父さんが絶対怒鳴り込んで来る。それにどうせ泣くんならあびるお姉ちゃんの胸で思いっ切り泣きたい、と想った。あびるお姉ちゃんならわたしの事を絶対受け止めてくれるから…。
それに普通の人では、この絶望的な状況からわたしを救い上げる事は出来ないと思う。それでもあびるお姉ちゃんなら、きっと何とかしてくれる、そう想えてならなかった。まるで歌手を目指し始めた人が、メジャーデビュー後すぐに大ブレイク出来る位低い確率だけど…。
わたしは、最後の力を振り絞って脱獄するように窓から出た。普段のわたしならお父さんに脅されれば、どんな理不尽でも言う事を聞くんだけど、今回ばかりは皆に、特にあびるお姉ちゃんに優しく受け止めて貰わないと、本当にどうにかなってしまいそうだった…。
わたしは窓から出て、念の為に障子と窓を手を伸ばして閉め、「助けて桂お兄ちゃん、蒼絵お姉ちゃん、あびるお姉ちゃん…。」と小声でそう呟きながら、あびるお姉ちゃんの家に向かい、インターホンを押した…。
「待ってたよーめいみ~ん、ってどうしたの靴も履かないで!?」とあびるお姉ちゃんが出迎えてくれると「あ、あびるお姉ちゃん…。」と言うと、言葉より涙が溢れ出したのを見て、あびるお姉ちゃんが「と、兎に角中に入って!」と中に入れてくれた。
皆が居るリビングに案内されると、あびるお姉ちゃんが「皆、めいみんが…。」とわたしの手を取りながら悲しそうにそう言った。
「…もしかして、●イプされたっすか?」と薫さんが開口一番にそう切り出した。『レ●プ』と言う単語を聞いた瞬間、堰を切ったように「うわあああん!」と大声を出して泣き出した。あびるお姉ちゃんが「まさかホントに!、誰に?。兎に角先ずシャワー浴びて来なよ!」と言ってくれた。
「有り難う。後出来れば、歯ブラシも借りて良い?」とわたしが聞くと、あびるお姉ちゃんが「そんな事迄させられたの!?、気持ち悪かったよね?。新品用意してあげるから遠慮なく使って!」と、わたしがどんな目に遭わされたか知ってるような感じでそう言ってくれた。
わたしは大急ぎでライブでかいた汗と、クラスの後片付けで付いた埃とそして、安藤さんに穢された汚れを、これ以上キレイにしようが無い位徹底的に洗い流し、用意して貰った歯ブラシで、かつて無い程徹底的に磨いた。取り敢えず体と口は一応キレイなり、あびるお姉ちゃんが小さい頃に使ってたパジャマを貸して貰ってそれを着て、皆の居るリビングに向かった…。
「シャワー使わせてくれて、有り難う御座います…。」
「そんな気遣わなくても良いよ。それより何があったか話せそう?」
とあびるお姉ちゃんに優しくそう聞かれ、わたしはさっきの出来事を語り終えると、桂お兄ちゃんが。
「安藤 透か、高校ん時から危ない奴だと思ってはいたけど、まさかそこ迄とは…。」
「てかそれをお父さんも手伝うなんて何考えてんねん!」
「瑠実お姉様の言う通りですわ!」
「奴等を我が闇魔法で正義の鉄槌を下してやりたいわ!」
「しかも智枝はそれを撮影するし、晃子は相変わらずだし…。」と蒼絵お姉ちゃんが言い終えると。
「でも蘭ちゃん、どうして明未ちゃんがレ●プされたってすぐ解ったの?」と蒼乃さんが薫さんにそう聞いた。
「あの、どうして薫さんが『蘭』さんなんですか?」との問いに、あびるお姉ちゃんが事情を説明してくれて、蘭さんが蒼乃さんの質問に答え始めた。
「実はボク、バスケ部っす。今日のお昼前、部活終わって帰る直前にボクも●イプされたっす…。」と言って詳細を語り始めた。
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