7話 双方の違い、そして朽ちる思い

マリー「……飛んでる人間もいる……それにすごいごつい甲冑を着てる人もいる…ありゃなんだ……」

明らかに聖の7柱の人が来てるじゃんか……こりゃ大戦争だな。

マリー「……こっちに来た!」

そいつは私が見えてるのだろうか、剣を片手に、こっちに来た。

マリー「なんで私が殺したって思うのかなぁ!?」

????「お前のMPのかけらがあったからなんだよなぁ!」

へぇ……そんなものまであったんだ……これは一本取られたか。

マリー「だったらあの場に甲冑あったか!」

????「木っ端みじんに粉々にしたからねぇに決まってるだろう!」

マリー「コンマ数秒だけ爆発させたのに残ってないのはおかしいだろう!」

そうだ、あの魔法……同時並行で発動させてたな……

マリー「……レシドナルスピリット」

奴は少し警戒したが……あの場の言葉が流れ始めた。


  ????「そうだよ!この腐った世の中を正し、シモン様のためなんだ!」

  マリー「……どうして人間は過去に囚われるんだろうな……私、カチンと来ちゃったな♡」


????「そんな口調なのか……お前……」

凄い口調だったからドン引きしていたが、仕方ないもの、性的に興奮してたもん。

マリー「それとこんなのあるぞ?」

そしてまた発動させた。


  ????「隙ありだぁ!」

  マリー「ゴハッ……」

  メシ・・・

  勇者「なにやってんだてめぇ!」

  勇者「お前の腕かてぇんだよ!」

  マリー「離れて……」

  勇者「どうしてなんだ!」

  マリー「いいから……早く……」

  ????「いいのかぁ?殺してもぉ」

  マリー「おめぇ…を地獄に落とす……がな」


????「……この声……エスタナク……なのか……?」

彼女は耳をかっぽじって聴いていた、エスタナクで間違いないのだろう。

マリー「……そのエスタナク……っていうんだっけ」

????「ああ……でもお前が殺したのだな」

マリー「その前にエスタナクがエルフの村にオーガたちを襲わさせてたんだよ」

????「……そう……なのか?」

マリー「ああ、ここにエルフ連れてこようとしたが、やめといた、誘拐と間違われるからな」

????「あなたの言葉を聞いたが、まだ信用できない」

この堅物め、いい加減剣を降ろせ。

????「一度問う、倒れた私の仲間たちはどうするつもりだ」

マリー「……ああ、そうだな……まだ生きている、死んだふりだ」

その言葉を言うと起き上がってきた。

????「この……いや今はいいわ、こいつには勝てないってわかってたんだな」

そして剣を収めた。

マリー「それで?そっちの要望は?」

????「……ない、そっちはどうだ、迷惑料いるだろう」

マリー「……勇者の弟がどこにいるのか、知りたいんだ」

????「イエスタ・ビューか……そいつは、数日前に処刑されている」

マリー「…………は?」

その言葉は、本当の物だと私は感じた。

????「勇者はどうしたんだ!?」

マリー「なんで一緒にいると思ったの?」

????「それは……MPのかけらがあったから……」

マリー「王様と掛け合ってくるって……」

????「そりゃまずいことになったぞ……」

マリー「どうしてなんだ?」

????「……王様にたてついたのなら……即日処刑されるんだ……だが相手は勇者だ、昼の3時……鐘が鳴る時間に処刑されるのだろう」

マリー「今すぐ行かないと……」

????「あなたヴァンパイアなのでしょ……?」

マリー「恩人が殺されるかわからないんだ……だから、行かないと駄目なんだ」

????「ちょっと……私たちも帰るわよ!」

もう夜明け前だ、焼けながら行くことになる……痛い。

マリー「おらぁぁ!」

いつもなら短いのだが、今回は遠いように感じた。

マリー「うごけぇぇ!!!」

私は自分を鼓舞しながら、羽を動かした。

マリー「ついた……」

もう時間は2時を指していた、どれだけ日に晒されていたんだ……

マリー「……あれって……」

そこには勇者がいた。

マリー「届いてくれよ……頼む……」

私は手を伸ばしながら、勇者にぶつかった。

勇者「……なんで……ここに」

マリー「世界を……変えて……」

そして私は持っていた鎌を彼に渡した、そして私のMPがなくなったのだろうか、そして私は最後の言葉に、こう話した。

マリー「……暖かい」

そして私は一旦死んだ。



勇者「……世界を変える……どうすればいいんだよ」

こいつ……焼けながら来たんだな……灰になる前に……どこか日陰に……

勇者「おらぁ……連れてくぞ」

縛ってあった縄は鎌で切れていた、あいつのギルドに行くか……

勇者「……誰かいないか!」

ベアトリス「ちょ……マリー!?どうしたのあんた!?」

勇者「今は死んでる、多分蘇生魔法は効かない、どうしたら……」

ベアトリス「……笑ってる……なんでだろ」

勇者「俺は王様を殺してくる、帰ってこなかったら、俺の家の地下の連中にこいつを運んでやってくれ」

そして俺は王様を殺しに行った。

勇者「おいこら!」

そこには誰もいなかった。

勇者「……もう逃げたのか、でも王冠がここにある……ということは……」

そして俺は統率が取れなくなった王国を見た。もちろん側近も消えていた。

勇者「……仕方ないか」

俺は勝手にベアトリスを王女様に任命した。

ベアトリス「それは困るな」

勇者「でも、お前が町の人から……尊敬されてるんだ……お願いだ」

ベアトリス「少しだけね、それでこの子はどうするの?」

勇者「……俺が連れて行く、だから、頼んだ」

俺は家の地下にいる野郎どもにこいつの治療を頼んだ、数年かかるが、俺の寿命は向かえないだろう。

勇者「さて、旅をしますか、情報収集を兼ねて……」

そして俺は別の道に歩いて行った。

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