第6話

お、オークナイトだって!オークナイトの討伐はパーティーでもE級中位、ソロだとD級レベルの難易度じゃないか!無理がすぎる。


「そうそう、言い忘れてたがこの試験には試験官はついていかない。オークナイトのドロップを持って帰ってくれば合格だ。もちろん受けなくても何も問題はないし、1組も受けない年だってある。当たり前だが死亡リスクもあるからな。さぁどうする?」


そんなの、ソッコーで断――


「俺は受けるぜ!まさかダンジョン科を取ったのにここで受けない腰抜けはいないよなぁ。」 


ぐっ、武田が大声で応えたせいで断りづらいじゃないか…でも断らなきゃ。


「う、うちのチームはやめ――」

「応!受けるに決まってるぞ!」

「な、ナミタ?嘘だよな?」

「何言ってんだ、ノア。あそこまで言われて引き下がるのか!?」

「え、でも―」

「ノア、漢をここで見せるんだ!」


だ、だめだぁ。ナミタ完全に頭に血がのぼってる。


「わ、分かったよ…受けるさ」

「うーん、まぁ受けるだけならデメリットもないしダメそうだったら途中の階層で帰ってこようよ。」


「おーし、ぶつぶつ相談してないで決まったか?受けると判断したパーティーはこの後ここに来ること。では、解散!」


え、えー。受けるのか…えい、僕だって覚悟決めるぜ。


結局僕達含めて3パーティーが追加試験受けることになった。


「よし、決まったな。では今から説明していくぞ。再度言うが今回の試験では試験官がついていかないから自力で帰ってこい。あと、5層のモンスターに刃引きした武器は辛いだろうから幾つか学校の方にある刃引きしてない武器持っていっていいぞ。あと、貸与されてる麻袋とクックセットは持っていってもいいぞ。帰ってきたら受け付けに言ってくれれば誰かしら迎えに行く。では健闘を祈る。」





うーん、ナイフは何本持っていこうか…ダガーナイフしかここに置いてないし、3本くらい拝借していこうかな。


「おーい、ノア。決まったか?」


あ、ナミタだ。うわ、あの盾かっこよ。

「決まったよ。ナミタの盾なんかかっこよくない?」


「あー、これね。なんか備品管理してる婆さんが唯一のE級装備だって渡してくれたんだよね。あとポーションも幾つかもらったよ。」


はへーラッキーやな。E級装備からはその装備自体にスキルがつく。だからF級とE級の間には埋まらない差があるのさ。


「何のスキルついてるの?」

「『頑強』だって。E級にしては中々優秀じゃない?」


さてと、僕もナミタも終わったしシノは刃引きもクソもないからそれそれ出発するかね。


「よし、ナミタ。行くか!」






「ナミタ!スイッチ!MP切れた。」

「おう。」


ナミタや僕が1〜3層のモンスターを引き受けたのでシノのMPを保存することはできたんだが、4層からモンスターが積極的に武器を使うようになってからがきつい。今もオーク相手にマトモに攻撃を食らってないのは確実にミナタとあの盾のおかげだと思う。


「ナミタ。次致命いれるからスキル真っ向から受けてくれ」

「りょーかい、ふんっ。」


オークが棍棒を上段に構えてナミタに肉薄しようとする、あれはスキルかな?多分棍棒術の『叩き潰し』とかかも。


ガキンッ


よし、ナミタがいい感じにスキルをいなしてくれたからディレイが生まれた、ここに『致命』を入れてっと


ズシャッ


『致命』がいい感じに決まってオークはドロップを落として消えていった。


「おし、ナミタナイスガード。シノさんもナイスアシストだったよ。お疲れ、このまま行こう。」

「あ、あの水島君。戦闘中にちらっと見えたんだけどあれって5層への階段じゃない?」


うん?確かにあの洞窟下がっていってるな。行ってみるか。


お、光が見えるぞ。5層じゃないかな?次で最後、気を引き締めなきゃ。


階段を降りきった僕達を光が包んだ。




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