第7話 ゴムが欲しいけど、南国が欲しい物は?
南の国で欲しいのは?りんごは無い?
林檎酒は売れる可能性はあるが、泡が出て向こうに着く前に、溢れる可能性はある。シードルは発酵する時に、炭酸がたくさん出る物だから。
樽で、半分ぐらいにして、時々蓋から炭酸を出す必要がありそうだ。
ガラスの材料の余りで、凸レンズを作り望遠鏡を作ったり、眼鏡は出来るだろう。
色をつけて、宝飾品として、綺麗なペンダントにするとか?
繊細な細工は無理でも、型に嵌めて後は磨くとか割れにくい小さな物を作るか?
他では毛織り物ぐらいしか無いが、常夏の国には、毛織りは不要か?
いわゆる、レッドカーペット的な敷物とか?
絨毯なら、欲しがってくれるかもしれない。
さっそく織物のおかみに相談したけど、あれば作り方が全く違うとのこと。
小さいので良いから、作ってみて欲しいって頼んだけど。
そんな中インディが、ルビーとダイヤモンドらしい鉱石を見つけたと、話が来た。
なら、それを売ったら、ゴムが手に入るかもしれない。
今は恐ろしいぐらい、近隣は静かだけど、いつまでこの状態が続くかはわからない。
秋の借り入れを前に、まだ問題は山積していた。
夏の間に、秋の準備もしなければ。
畑にまた作物が植えられるように、土を返したり堆肥を混ぜ込んだり。
去年の秋に出来てないから、1年以上そのままだと、土地が痩せてしまう。
蕎麦なら痩せた土地でも育つから、蕎麦粉の活用を考えないと。
日本の出汁は作れないから、鶏肉ベースの出汁に、二八蕎麦を合わせてみた。
蕎麦打ちも、うどんもおじいちゃんが、自作してたから、覚えこまされた。
打つのは得意。
鍛冶屋に特注の包丁と、大工に長いのし棒と、切る時のガイドになる物を作らせて、作ってみた。
上手いと食べた村人の中に、飲食店がやりたいと言う男がいた。
真剣にやってみるなら、教えると言うと、喜んだ。
翌日からは、連日城で特訓をした。
うどんもマスターした。
蕎麦屋だから、八と呼ぶことにした。
出汁は2人で味を考えた。
やはりシンプルな鶏に塩が、良い感じだ。
大豆が自作出来るまでは、醤油は作れないから。
鴨なんばを思い出して、鴨は食べられると言うと、驚かれた。この地域には少ないから、鴨は食べないらしい。
川にはまあまあいるけど。
捕まえて出汁を取り、肉を乗せてみると、村人たちの評判は良かった。
ならば、蕎麦は鴨、うとは鶏肉で、両方飼育すれば?となり。
彼は、養鶏と鴨を飼うプロとなった。
逃げないように、紐で繋いで、川べりにいる鴨と、蕎麦屋は有名になった。
夏場は冷やしたうどんが、人気になったし、ざるそばも、昼食に人気になった。
まさかの世界に、蕎麦屋が出現だった、大豆があれば色々な調味料も作れる。トルコで、無事に大量の大豆が手に入ることを祈るのみ。
素麺や 冷麦も、試してみた。
乾麺も作った。夏まで蕎麦がもつか、上手く差配しないと、小麦粉や蕎麦粉、とうもろこし粉が、余ってしまうし。
子供たちは、乾麺作りにも大活躍してくれた。
踏んだり、束を伸ばしたり。
先生ねブルーノは。数を数えさせてくれて、2の段の九九もマスター。
ついでに4の段も。
身体で覚えた、遊びで覚えた知識は、残る。きっと役に立つだろう。
乾麺で冬に備えたいと言ってから。
スープに麺は一皿で完結。身体も温まる。
山の木の伐採ど、捕まえたウサギやイノシシも、一部は燻製に出来た。
川の魚も、ヤマメやイワナは、内臓を出して・干物で保管する。
出汁も出るから、小エビや小さな魚も日干しにしてある。
近隣を回ったチームは、欲しかった唐辛子の苗と狸を持ち帰って、大豆らしい豆も持ち帰ってくれた。
唐辛子は植えて、かなり収穫は出来た。
もちろん、乾燥して保存して、冬に身体を温めたい。
大豆は、水ににつけて、発芽させられた。
そこからは、夏まきだから、すくすく育ち、枯れるまで放置。
中から、カラカラ音がしたら良いとのこと。
今年は増やすのが目的だから、まだ使えない。
食べられる量まで、醤油に使える量まで、まずは増やすのが大変。
何でも、お金を出せば、買える世界とは違う。
秋には、豚や牛を解体しと、燻製したりした。貯蔵庫には薫製の部屋もあるから、一気にやってしまう。
奥は冷たいもの、入り口の部屋で燻製をした。
解体したら燻製する、保存は奥の冷たい部屋の流れで。
この国の人は、どうやらいわゆる、ホルモンは食べ無いようだ。
一部は、ソーセージのような物に混ぜ込んだりひするようだし、ハツ(心臓)は一部の人は食べてたけど。
放ってあるのが勿体なくて、佳代は子供たちに教えて、ホルモン焼き大会にすることにした。
ホルモンは、貯蔵は難しい。
捌きたての今なら、新鮮だから。
コレはおじいちゃんと、旦那が好きだから、無理矢理やらされた。
奥地だと食料がなかったりするから、ダンナはホルモンには詳しい。
おじいちゃんは、豚とかを飼ってたから、ホルモンは捨てるのは、イヤだし好物になった。
が、いわゆる掃除は佳代の出番。
解体に忙しいおじいちゃん、燻製の準備に忙しい母たち、ヒマだからとお鉢が回ってきた。
細かい部分も、掃除しまくって、キレイにしたホルモン、新しいホルモンは美味しかった。
肉はほぼ生が食べられない子供には、ご馳走だったのか、先に子供で取り合いになり、結果解体のたびに、ホルモン焼き大会になった。
豚と牛と鶏のホルモンで、何処が美味しいか?と、議論は尽きない。
鶏の砂ずりや肝は煮込みにして、日持ちさせて、翌日や翌々日の昼ごはんなどに食べた。
醤油があればなぁ…としみじみ思った。
肉も、単なる熟成肉みたいな物にも、挑戦してみた。
結構捨てる部分が多いのは、難点だけど、熟成は熟成で美味しい。
鶏は学校のケージに入る分は、冬は学校で預かった。
他の鶏小屋では、寒すぎて鶏が死んだり、オオカミたちが近寄ってくる。
小屋の周りに、罠を仕掛けたが、なかなか捕まらない。
学校の鶏小屋は、城の中にあるから、夜中忍び込むのは、かなり難しい。
二階建ての鶏小屋はうるさいけど、離れているから、大丈夫。
小さな扉からしか入れないから、卵取りは小さい背丈の子供の当番。
何もしないで、食べる物をただ与えられるより、役目があって頼りにされると、人は生きがいを持ち、責任感も生まれる。
小学校の中学年あたりが、1番適任で、毎朝城に、卵を届けてくれる。
床に落ちた卵をまず慎重に拾っていく。
踏み潰さないように、よく観察しながら進む。二階建も同じだ。木の棒をよじ登って二階へと上がる。
このアスレチック感覚も楽しいようだ。
卵がたくさんの日も、生む数が少ないとか、割れた数が多いと、お菓子などになる。
砂糖は甜菜から取る。
粉挽きの仕組みを使って、油を絞ったり、砂糖の汁を絞ることも出来るようにした。
圧搾作業が可能になった。
乾燥は外だったり、貯蔵庫でやる。
他にもひまわりは種を全部取って、子供や大人のおやつにしたり、外側の固い部分は洗って、粉にして冬場の栄養を補うのに使う。
ひまわりは少ないから、絞りにくいけど、かぼちゃのオイルは、袋に入れて、粉挽き機を、上下に動かして、圧力をかけて、絞れて栄養も風味も出る。
大リーガーが種の殻を撒き散らすには、
食べる理由があったってことで。
ハムスターが育つから、栄養はあるだろうとは思ってたけど。
かぼちゃの種は、かなり活用出来そう。
かぼちゃは長期保存は出来るけど、種の部分から、痛むのは主婦なら知ってる。
定期的に、上下を調べて、柔らかくなっていたら、割って種を取り出し、ワタ部分もキレイに取ると、またしばらくは保存は可能。
日本のより、水分の少ない品種もあるから、順番に使う。
一気に食べる時には、パンプキン料理が並ぶ。パイや、プリン、かぼちゃの煮物、かぼちゃに肉などを詰めたりして、盛大に感謝祭をやる感じ。
日は拘らず、食料の痛み具合で開催することに。
麦は種にする物と食べる物に分けたり、秋はとにかく忙しい、
りんごは生で保存を、出来るだけ増やして、一部だけシードルと甘煮に。
ペリー類は保存か難しいの、殆どジャムにしたが、乾燥も作ってみた。
燻製の横で、乾燥させてみた。ちょっと煙の匂いはするが、細かくしたり、半分に切ったら、パリパリになったりした。
コレはグラノーラに入れられる。
子供たちは、やっと勉強が出来るから、大工さんたちに、枠を作って貰い、自分たちで枠に粘土を詰めた。
油粘土は固まりにくいので、由美に調べて貰って、植物性の油脂でも良かったから、コーンの油にした。
乾かないように、板にはフタも付けて貰って、名前を書いた。
書く用の棒や、ならすための木ぎれも、自分たちで色を付けたりした。
黒板は難しそうだから、ひとまずは、先生用も、大きな枠に粘土を詰めた。
小さく3分割して、フタを付けた。
乾きすぎると、水や脂を足した。
黒板は早急に必要な物になりそうだけど、チョークもセットだから、しばらくは考えるしか無い。
また、インディに頼む物資が増えた。
滑石(タルク)やシリカ(二酸化ケイ素)、または炭酸カルシウムが必要らしいが、1、2番目は化粧品の素材として使われているから、わりとすぐに見つかりそうだ。
インディには、紙の元になりそうな、草を集めて貰い、川の側の水車小屋の隣に小屋を作って貰い、出来たら紙つくりをやりたい。
和紙の方法に向いた、草の候補がかなり集まってきた。紙の専門家はいないので、知恵があると言われている、オジーと言うおじいちゃんに、監督を任せて、若い者が動く4人体制を組んだ。
家が無くなり、畑も小作をしていたような、若者や娘はたくさんいる。
ドロドロにして、目の細かいスノコのような物でこす。
スノコ作りから、難儀した。
枚数は何枚も必要だし。
作り方に目処が付いたら、他の者の仕事も出来る。
冬冷たい水でやるのが、良いらしいけど、冷たい水で、赤切れだらけになる。
切り傷にも効く物を、赤切れを治す薬の作り方を、由美に探して貰っている。
ある甘草の根から抽出される成分と、オリーブ油。
羊の毛から出るラノリンとアラントインは、中村倫也王子に頼む。
紫根と言う紫の根っこと甘草は、漢方薬の素を買いに行かせてるから、多分入っているだろうけど。
身近に生えていないか、またインディと倫也王子は草には詳しいから、探して置いて貰うことに。
あかぎれだけでなく、切り傷全般に効くようだから、怪我にも使える。
消毒液に付いては、アルコールが先決だから、シードルのアルコールを、蒸留させて、アルコール度数の高い物を、何本か作ることにした。
まだまだ、シードルの材料はあるけど、ウィスキーのほうが、アルコール度が高く、材料もたくさんある。蒸留器さえ上手くいけば、シードルでめ出来るなら、出来りはず。
ウォッカのような物でも良い。
こちらは、スティーグランド家に任せてみた。彼らはりんごのシードル作りの名手だし、ウィスキーも作り方は聞いたことがあるらしい。
酔うための酒ではなく、病気や怪我で使うならと、冬の間に取り組んでくれることになった。
まだ、事故は起こっていないし、戦争にはなっていないが、必ず出番は来るだろう。
怪我や手術なら、未だに理髪師たちが、やるケースが多かったけど、医師の育成、基本からは無理でも、応急処置は出来無いと、また余計に人が亡くなることになる。
理髪師から若い2人を人間の身体と似ている、豚の解体を多数経験させて、静脈と動脈の違いや、麻酔の実験など、怪我の処置に付いて、由美が一般論をまず噛み砕いて、PDFの山を作ってくれた。
幸いUSBはたくさんある。皆んな不用品だけど。1つは医療用にした。
USBもキーホルダーと、化粧ポーチのつまみに使ってるのと、タブレットケースのつまみに付いていて、よくみたら、リュックの内ポケットにも1つ。
秋から、やはり体調を崩す者も増えた。
佳代は城の使用人から、気のつく者を集めて、病人がでたら、看護に当たるように、基本を教えた。
温かくする方法、部屋の温度を一定にすりために、天井に回るファンを付けた。
電動では無いけど、ゼンマイでしばらくは回る。交代で紐を引くなとする。
看病の間は、城には戻らない。
専任の看護人も、そろそろ探しておかないといけない。
応急処置と、トリアージの選別の仕方なども。
熱が高く、節々が痛いなら、インフルエンザの可能性が高いから、隔離する必要があること。緊急具合で、普通の患者や怪我は、子供たちの部屋で寝させるなど、備えはあったが、実際上手くいくかはわからない。
村や街に広げ無いためにも、家の人たちは感染しないか確認するまで、家に鍵をかけて、印をつけることも。
もちろん、マスクやガーゼはたくさん用意した。綿は育たないから、輸入するしか無いが、マスク用には目の詰まった物を用意していたが。
鉄が作りたい。
今はそれが、全ての要になる、
コークスを作る炉も必要。
石炭は入手は可能だ。
コークスなどと、一緒に焼いたあと、不純物を取り家族、転炉も必要。
肝心の鉄鉱石がたくさんある場所が、まだ見つからずにいる。
高炉は冬の間に、警護隊で作るしか無い。
門の周りは、は家の屋根用の薄い瓦で、苦労をしている。
上手く作らないと、すぐに割れてしまうからだ。
頑丈だけど、重過ぎると下が崩れる。
門の屋根は特に分厚くしているが、組み合うように、曲げているから、割れやすい、、
麦用の刈り取りの、鎌付きの器具も、作って、準備したし、脱穀も早くなるよう、足踏み式に改良はしてある。
無事に、この冬が越せるか、人は減ったとは言え避難していた者が戻ってもいる。
連絡用の鐘は、隅々まで届くようにはなったが、土砂降りや雷でも大丈夫か、まだテストは残っている。
山の攻められそうな、斜面からの連絡が、隅々まで届かなくては、意味が無い。
夏の午後、凄い雨と雷が来たから、試してみた。鐘のリレーは素早く出来たから、一安心はした。
連絡網は、一安心が出来た。
急病人や怪我人を病院に送る、救急車のようなシステムも作った。
簡単な3輪の台車に乗せる。
組み分けがされていて、いない場合は変わりが指名されている。
大人が寝そべっれる大きさで。普段は荷物を運ぶのに使う。
使用中は、隣から持参する。
トイレと同じで、4軒に1つ配置してあるから、そういつも使用中でも無い。
組長の家には、綺麗な布が用意されているから、それを敷く。
患者の家族も、感染してないことが、確認されるまでは、家で隔離することを、徹底した。
かなり重い病人だと、家族を呼ぶ元気も無い。家な警護隊が、外から交替で見張る。
病室にも見張りがいる。
このシステムも、慣れてくると、病院ではちゃんと手当てがされて、家より良いことがわかり、家族が騒ぐことも減った。
由美には、遠征が出る前に必要な漢方薬の材料な度は.調べて貰って入手して貰うことにはなっている。
例えば、下痢食あたりには、抜群の正露丸の成分とか。日露戦争前だから、漢方から大半は出来ているから、そのあたりとか。
化学的に作るのは、技術的に難しいそうだから、まずは漢方の解熱剤の材料を、全部とか、痛み止め全部とか。
さすがに病気ごとの薬までは、最初から手がつけられない。
テレビで観た「仁」は、抗生物質を作っていたから、コレは病院横の建物で、カビ青カビからペニシリンは、昔から聞いたから、青かびが出たら、村人たちには持ってくるように伝えて、数を増やしていった。
結核は怖かったから、由美に調べて貰ったら、土の中にいる微生物らしく、より分けられるか?そんな物ってなったけど、他にも優秀な抗生物質が出来るらしく、由美の研究とともに、抽出にトライ中。
土の中にも、こんなに人の役に立つ物がいたとは?で。
バイ菌ばっかりかと、思ってたけど。
バイキンマンが、ちょっと良いやつなのと、関係はあるのか?ないのか?
泥水から、小児麻痺になった叔父がいる身としては、切ない。
何故悪いのだけ、口に入ってしまったねか?世界で流行した時期だったみたいだけど。
薬探しは、時間がかかりそうだから、初期に手をつけたけど、まだ成果には乏しい。
解熱剤すら、化学合成には難しそうだから。
熱は怪我をしても出るから、解熱剤は欲しいけど、ままならぬ。
熱はウィルスや菌を高温で、殺す役割があるから、下げるタイミングは難しい。
小さい子だと、熱だけでも、あっけなく亡くなったりする。
国を救うとか、言ってるけど、子供の命すら救えない現実に、へたり込みそうになった。
ルカは、部屋に戻って慰めてくれた。
自分は母にはなったことは無いけど、お母さんには、子供を亡くすことは辛いんだろうし、カーヨーは母として、子供が亡くなるのが、悔しくて泣いてるんだね、と言われて、なお泣いた。
国の主として、1人の命と引き換えに、何かを命令する時もくるだろうけど、病気で子供は失ないたくは無いと、何度も感じた。
そのルカも、気の晴れない表情が続いているから、改めて聞いてみた。
どうやら、懸念が本当になりそうな話だった。
ルカは、佳代と同じく、男として生きている。
この世界では。
隣国、敵対しているウステバンからの、申し出なら、軽く受け流すことも出来ただろうが、1番の友好国から、ウチの姫を嫁にしていただければ、私たちの友好関係も一層深まると言うもの。
まだ、戦後1年でそれどころでは無いとしても、結婚は先にしても、婚約だけでも先にしては、いかがか?との話があったようで。
まだまだ、毎日やることで、手一杯ゆえ、しばらく考えさせていただけませんか?とは伝えたらしい。
が、婚約ならば、発表するだけ。他には大した用意も要らず、2日ほど隣国へ行く程度。
彼女は窮地に立たされていた。
断ったら、せっかくの1番の友好国を怒らせることにもなる。
が、ルカは男性では無いから、結婚したらそれはバレてしまう。
ひとまずは、かわすとして、今後どうするのか?
隣国には兄かいて、跡取り息子として、また別の国から姫を迎えている。
何しろ、政略結婚は当たり前で、しないほうがおかしいような世界。
ルカに、あの中村倫也似の旅に出た、兄デビットのことが、好きか?と聞いてみた。
驚くことなく、彼女はうなづいた。
あちらは、男子だから弟分としてしか
観ていないのでは?にも、驚きの答えが。
肩は細く、まるで女子のような身体付き、だのに腕は立つ、不思議なヤツだなぁとか、1度は今だけ、抱きしめて良いか?とも言われたらしく。
冗談にして退けたけど、アレは私を探っていたのやも?気づかれいるのかもしれません、と言う。
困った。お互いもしかしたら、本気かも?なら、何とかしたいが、今はまだ姫だとは明かせない。
弟のジャンが、今度チーズを納めに来たら、会いたい旨をバーブラに伝えた。
しばらくして、昼間時間はありますか?とバーブラがやってきた。
2人だけで話したいと、伝えた。
しばらくは、チーズの生産計画と、ヨーグルトを生産し、薬にする話をした。
ビオフェルミンのような薬が欲しかったからだ。
また、話し込んでいると、彼はふと言った。
「私を呼ばれた理由は、他にありますよね?ルカのことでは?」と言われた。
どう答える?
黙っていると、「実は…」と話し出した。
昔から、2人は可愛い弟のように思っていたこと、5歳違いでも、敵わぬと理解しても、向かってくるのが、可愛いと思っていたこと。
が、ルカの兄たちが亡くなってからは、何故が寂しそうにしていると、デビットは気になってしまい、身体が触れるて、ドキドキしてしまう自分に、困っていると自分に話したそうだ。ルカが女であれば、どんなに良いか、ずっと願っている様子なのも。
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