『記念日にあげたピアス「一生使う!」約束はすぐに果たされた』
「!」マークの勢いを纏う後半部。「約束はすぐに果たされた」の意味が後から押し寄せる感覚が、すぐに死を信じられていないどこか他人事感のある相手の気持ちを表しているように思えるところが好きです。
また、「一生使う!」の気持ちの大きさと約束の期間の短さが、三句七音と四句五音が生み出すリズムの緩急によって、より客観的かつドラマチックに演出されているところが魅力的です。
連作が掲げる『さわやかスーサイド』を体現したかのような歌であることは間違いがないが、一生をかけて守らなければならない約束がすぐに果たされてしまっただなんて悲しすぎる状況に、一つ明るい解釈を落としたい。
一生が今生である必要はないのだと思う。この世界から少しはやめに脱出しただけの彼または彼女は、きっとここではいない世界でピアスを大事に抱えて、あなたのことを静かにのんびりと待っているのだろう。
字面の内側に秘められた喪失感が死という概念を今一度考えるための動力源になっているのだと思う。
素晴らしい作品をありがとうございました。