福引きでなぜか魔界に招待されました(笑)

星紫

日常から非日常

 「福引きやってるよ~!」

福引きかあ……やってみようかな? ちょうど福引券みたいなの持ってるし。

「やります」

「おお、やってみるかい? 左回りに回すんだよ」

出たのは……赤色。えっと? え、と、一等賞⁉

「一等賞~!」

おじさんの声と共に赤色の玉から人が出てきた! え、え、どういう状況⁉ その人は真っ赤な髪にぱっちりとした真っ赤な目。角が生えてて、羽があって、お尻には尻尾。完全に悪魔の姿。ていうかそれよりも……イケメン! 悪魔ってこんなにイケメンなの⁉ かっこいいし、絶対イケボ!

「はーい、みなさんこんにちわ☆ 今回の一等賞は魔界にご招待☆」

知能指数は劣るな……

「一等賞の子は君かな? 名前を教えてね☆」

「え、えっと……心美、です……」

「ココミちゃんだね☆ よろしくぅ~☆ 僕の名前はテンヤ☆ よろしくね☆」

「よ、よろしく……?」

「敬語はいらないからね☆ それじゃあ、行くよ☆」

「え、う、うん……」

え、え、え⁉ 吸い込まれる⁉ 目も開けられない!目を開けるときっと魔界とかいうところなんだ! 素敵な場所に違いない! だって一等賞だもん!

 私は目を開けると……え、ここどこ? そこは何かの門の前。真っ黒な色の門でつたが絡み合っている。はっきり言って不気味。え、一等賞だよね? 当たりだよね? 今、はずれみたいな雰囲気なんだけど。

「ここが魔界で~す☆ ここは僕の家なんだよね☆ 豪邸でしょ☆」

まあ、奥にあるのは豪邸っぽいけど……門の不気味さよ。どうなってんだ。

「お帰りなさいませ。テンヤ様」

「僕は跡取りだからね☆ 特別扱いなんだ☆ 君は僕の妹って設定で学校に行くから☆」

は、はああああああ⁉

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