第40話 怪異の島

 島にいると、それだけで身体が浄化されるような、そんな感じがする。それが第一印象だった。自分の中の濁った部分なんて全部洗い流されてしまうような、そんな力を感じた。


 神の力がこの島に宿っている。……いや、神とは限らない。要は、人ならざるもの。


 この世界の支配者のような顔をした人間よりも、真に強く孤高の存在。


 そんな怪異が、空気の存在が当たり前であるのと同じように存在している。


 この島は、ただの無人島ではない。信仰を集める神の島でもない。


 人間が滞在するには危険すぎるのだ。


 怪異退治人の手も及ばぬ辺境の地。そこは、無知の素人二人がずかずか入ることが許される場所ではない。

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