第28話 私が殺した

「応接室はないから、リビングでごめんね」


 この硬い空気を打ち破るべく、誠司は


「来たことあるから知ってるよ。昔のように……気軽に接してくれないか。家族が一挙に亡くなったんだからまあ、明るく振る舞えなんて言わないけれど」


と言った。


「そうだね……あのさ、本題から入っていいかな。そこに座って」


 そう言ってソファを勧め、隣に座った。


「もちろん。最後まで聞くよ」


 ただならぬ空気を感じたのか、真剣な表情で聞いている。


「私が……花哉を殺したの」


 言ってしまった途端、呼吸が荒くなる。前屈みになって、肘をつく。誠司は、無言で背中に手を当てて続きを促した。

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