ババァいない
学園長に襲撃された事で僕の寮は吹っ飛んだ、あの魔法を受け止めきれなかった僕への罰と言った所だろうか?
それはそれで凄く腹が立つが今の僕はそれを上回るぐらいに緊張していた
今日から本格的に学園の授業が始まるのだ
どんな人がいるのだろうか?友達は出来るかなど異世界に転移した当時は心配もしなかった事が頭を支配する。
いきなり教室に入るのは緊張するので窓から教室の中を伺う
すると何やら教室の中心に男女が向かい合いながら何か口論をしていた
入学して早々ケンカとは、この世界ではこれが普通なのかな?それか学園最底辺のEクラス故なのかもしれない
女の子の方は金髪縦ロールのいかにも私いい所のお嬢様ですのと言った感じの子だ
その向かいには獣耳が頭についたがたいの大きな少年だ、獣人だろうか?
「薄汚い獣人ごときがこの私を侮辱しましたわね!」
「俺の名前はラジラムだ!本当の事を言っただけだろう?実家のコネでEクラスになんとか入れてもらった伯爵令嬢さん?」
空気が悪すぎるこの中に今から入らないといけないの?気まず死しちゃうよ
人間と獣人の軋轢は大きいと師匠から聞いた、おおかたお嬢様の方が『獣人と同じクラスなんてイヤですわ!』とでも言ったのだろう
いつまでも教室の前でウジウジしていても仕方がないので勇気を出してドアを開け教室に入る
2人のケンカに巻き込まれたくないのでなるべく目立たないように少し俯きながら入ったがダメだった
僕の姿を見た途端に口論をしていた2人もそれ以外のクラスメイトも目を驚かせ沈黙した
きっと、いや絶対に入学初日にした学園長との模擬戦が原因だろう。
「テメェ…」
「これは驚きましたわね」
いきなり僕の学園生活がハードモードである事が確定してしまった。
でも僕は知っている、こんな時に最も適切な言葉を——
「僕何かやっちゃいました?」
よくわからない事を口走るカイト・ケンザキ
だが彼はこれで良いのだ
何故なら彼、カイト・ケンザキはこの世界における王道なろう系主人公なのだから!
◇
屈辱ですわ、まさかラボンドール伯爵家の令嬢であるこのマクガレール様がEクラスだなんて
しかしまだEクラスである事はまだ許せる、魔術学園の合格条件は恐ろしく高いので入学出来たこと自体に大きな意味がある
問題なのは高貴な私と穢らわしい獣人が同じ空間にいるということよ!
あまつさえその獣人は私をバカにした、貴族としての面子を保つために決して許しはしない
獣人との口論がヒートアップしてお互いに武力を行使しようとし始めた所で驚きの人物が教室に入って来た
事前に同じクラスであった事は知っていた、それでもやはり驚いてしまうのだ
この黒髪黒目の青年は史上最年少でのA級冒険者に認定された冒険者の超新星
なぜこの学園に、しかもこのクラスにいるのかはよく分からないが、要注意人物だ。
なにしろこの男はあの学園長と戦いで二級魔法を受け切ったのだから
「クソッ止めだ!」
「そうですわね、流石に彼の前で争いを続ける事は出来ませんわ」
クソ獣人も本能的に彼の強さを察したのか威嚇をやめて自分の席に戻る
私も今すぐ席に座るべきなのでしょうが伯爵家の令嬢として彼と交流を深めておきたい
「初めましてですわよね?私はマクガレール・ラボンドールですわ」
「え?あ、えと僕はカイトです。仲良く?しましょう」
喋った感じは普通の平民の男と言った感じですわね、これでA級冒険者なのだからタチが悪い
「お噂はかねがね伺っておりますわ、なんでも入学して早々問題を起こしたのだとか?」
「うぐっ」
カイトはバツが悪そうに顔を俯ける
出だしは上々ね、最初に私はお前の弱みを握っているのだと伝える事で多少なりとも上に立てる。
「貴族としては本当ならしかるべきところに報告して貴方を罰しなければなりませんが今回は見逃しましょう。ご学友ですからね」
嘘だ、私が言わなくてもすでに学園長または副学園長からこの国の最高権力者アーレス国王に話が通っているでしょう。
「ありがとう!その事が心配で最近ずっとビクビクしてたから助かるよ」
「いえいえ、これくらいであればお安い御用ですわ。これからも助け合っていきましょう」
私の言葉の意味も分からずに彼はもちろんと頷いてみせる。
ほとんどの人にとって私の行動は卑怯に見えるでしょうね
でもこれが貴族の戦い方だ、誰にも文句は言わせない。全てはラボンドール伯爵家の為に
登場人物
マクガレール・ラボンドール 性別、女
意外といい人、貴族主義
ラジラム 性別、男
獣人の少年、筋肉に自信がある。
白虎族の族長
tsロリババァは魔術師学園の学園長! 卿 @rayray0131
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