tsロリババァは魔術師学園の学園長!
卿
『至高の賢者』
最初はチュートリアル
アーレス王国王都には二つの城がある。一つはアーレス王家が住まう金剛に輝く巨城、そしてもう一つはその巨城の軽く三倍はあるであろう幾重にも魔法結界が張り巡らされた神秘の魔法城。
まぁ城とは言ったもののその実ただの学校である。この城の名前はラルタリア総合魔術学園、世界中から魔術師が集まり互いに切磋琢磨しながら己の魔術を高め合う学びや
さてここで学園を目指している魔術師が、いやこの世界にいる全ての人が知っているであろう人の話をしよう
その人物とはズバリ
この学園の学園長『至高の賢者』ラーナ・ラルタリアである。彼女はもう御伽話にしか出てこくなった魔王軍に立ち向かい人類の魔術学を大幅に発展させた英雄の中の英雄
そんな勇敢かつ勤勉な彼女の事だ、きっと魔術学園の監督も真摯に取り組んでいるのだろう。
◇ ここから本編です。
魔術学園は大忙しだった。来年から入ってくる受験者達の合否判定、いわゆる選抜会議を行っていたからだ。
「ふむ、つまりわしに合否の最終審査をしろとな?」
「はい、その通りですラルタリア学園長。」
ふむふむ、クソほどめんどくさいの。そもそもわしは英雄にも学園長にもなりとうなかったのじゃ。
前世が男じゃったわしは超絶美少女であるこの身体に生まれ変わった時それはもう喜んだ。
腰まで伸びた白銀の髪、少しジト目で気の強そうな赤い瞳――。この容姿であれば
じゃが現実はそう甘くは無かった、まず孤児と間違われ孤児院に入れられる→大人だと証明する為に前世の知識と何故か使えるようになっていた魔法を披露する→町で有名になり王に呼び出される→魔王討伐!
今でも本当に意味が分からん、普通こんな美少女を魔王討伐に行かすかの?
しかしあの時代は色々と殺伐としておったからまだ許せる。問題は現王も先王も先々王も大人しくわしを隠居させてくれんという点じゃ!勘弁してほしい、マジで
あ〜あ、本当に全員クソッ!
「聞こ……ますか!」
ん?何か忘れているような、そもそもわしさっきまで何しようとしてたかの?思い出せん、遂にボケが来たか?
「学園長!仕事が面倒くさいからと言って精神世界に入り込まないでください!」
あぁそうじゃった!会議の途中であったのを、すっかり忘れておった。
周りの教師陣の視線が痛い。仕方がないじゃろ、アイツらの愚痴を考え出すと止まらんのだから
「すまぬ、少しこの国の事を考えておった」
ラーナは自分の失態を何とか包み隠すためキメ顔で平然と嘘をつく
「おぉ流石は『至高の賢者』我々とは考える事が違う!」
「これが学園長が英雄たる所以ですか」
だがこの女『英雄』なのだ!故にどんなに適当な事をのさばっても周囲の者には大抵の場合それっぽく聞こえてしまうのだ。
この世界は最も権力を持たせてはいけない人間に権力を持たせてしまったようだ、バカなのでは?
「では議題を進めてくれ副学園長」
「了解しました。ではまず初めに異端の少年の合否を決めたいと思います」
ほう、異端とな?黒魔術師でも実力があれば即入学させる我が学園が異端と評すか
絶対厄介ごとじゃろ
「試験番号1428、カイト・ケンザキ。筆記は満点ですが実技は平均を大きく下回っています」
ふむどう考えても転生者いや転移者なのじゃが先ずそれは置いておこう。驚くべきは筆記が満点という事じゃ、学生には絶対に解けないような問題を二、三問混ぜておいたのに
「しかし異端と言うには弱すぎる、他にも何かあるのではないか?」
「はい、実は彼の魔力総量を測ろうとしたしたのですが何度やっても測定器が壊れてしまうのです」
ほほう、確かにそれは妙じゃな。わしのように魔力総量が多過ぎて測定できない可能性もあるがそれならば何故実技の点数が低い?
「彼を合格させるのか非合格とするのかで意見が割れたため学園長に判断を仰ぎたく」
こやつ全部わしに放り投げおった!
ふふふ、しかしわしには前世の記憶があるのだよ!
「とりあえず合格にし落ちこぼれを集めたEクラスに入れて様子を見る、これで良いか?」
考えるの面倒くさいから取り敢えず漫画のテンプレみたいにしておけば大丈夫じゃろ
「では彼に関しては受け入れる方向性で行きたいと思います。それでは次の生徒を――」
この後も合否を決める会議が五時間程続いた
頑張れお婆ちゃん!
登場人物
ラーナ・ラルタリア 性別、女性
この作品の主人公、かつて魔王を打ち倒した勇者パーティの1人。『至高の賢者』の二つ名で知られている
副学園長 性別、女性
赤縁メガネをかけた秘書気質のしっかり者、性格に少々難あり
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