第5話 飲む付き合い

いつもの居酒屋にて


「あっ先輩来たんスね!!誰か先輩の分のお酒くださーい!」


「ニグリス、眠気はとれた?ダルさとかない?」


「大丈夫です、スッキリしました。本当にありがとうございます。」


「先輩達はやく座ってくださいッスー!」


「わかったから一旦水でも飲んだらどう?」


「えーーー」


「ルナ、僕今日のこと何も知らないから教えてくれませんか?」


「わかった。小声で話すね。今日見つかった死体は2人、昨夜に比べて少ないけど方法は同じだった。」


「そうですか…」


『2人…まだ1人見つかってないのか、子供とかが拾ってないといいんだが。』


「あ、それと夜の巡回が始まるらしいよ。本格的なのは後日かららしいけど、軽いものを丁度今夜から。」


「わかりました。明日、日程の確認をしておきます。」


「ちょっとお二人さん?こういう場で仕事話は厳禁よ?」


「あっシャル先輩!ごめんなさい…現状報告しないとと思って…」


「気持ちは分かるけど、今は飲みましょう?ね?」


「はい!」


「というかニグリス君それ水?お酒飲まないの?」


「さっき一杯飲んだので気になさらず。僕お酒が弱いので」


「へぇ〜……ハインズ君。」


「ん?なんスか〜?」


「君は何杯目?」


「えーっと…大体7杯目…ぐらいッスかね!」


「へぇ…7杯…君の先輩遠慮して一杯しか飲んでないっぽいからじゃんじゃん飲ませてあげてくれない?」


「了解っす大先輩!」


「いやあの、だから僕は…!」


「オラ飲め〜!日頃の感謝ッス〜〜!!」




すると居酒屋の扉が勢いよく開いた。

巡回中の騎士の1人だった。


「ハァッハァッ……に、ニグリスさんはいますか!」


「どうしましたか?」


「…ちょっと、付いてきてください。」


「…もしかして」


「はい……そうです。」


「……ハインズ君、一緒に来てください。」


「え?わかったッス…!」


___________


巡回中の騎士はニグリスとハインズを連れて普段人が通らない道に連れてきた。道の端の方には骨が転がっていた。そしてその骨の周りは焦げて黒くなっていた。


「え…これって……先輩もしかして。」


「はい、そうですね。この被害者の身柄は?」


「いえまだ…本当にさっき見つけたばかりなので……」


「へぇ…これが噂になってる死体ってやつかしら?」


「!?シャルさんいつの間に付いてきて…」


「勘が働いてね、ついてきちゃった。痕跡からするに…燃やされてから大体一日は経ってるわね。」


「ってことは昨夜ッスか…?」


「ええ、そうね。

あなた、この遺体を回収して身元特定を急ぎで」


「は、はい!」


「このことは私から団長に報告するわ。あなた達は酒場に戻って飲み直しなさい。私はもう飲みすぎちゃったわ。これ以上は体に毒なの。」


「わかりました。ありがとうございます。」


「き、気をつけてくださいッスね!」


2人はその場を去っていった

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