第25話
「今日はどうして呼んだんですか?」
僕はずっと思っていたことを聞く。
「うーん、なんとなく。特に理由はないかな」
先輩はそう言って、いつも通り僕の前に座った。かと思えば、先輩は急に立ち上がり、机と椅子を僕と横並びにして、何事もなかったかのように僕の隣に座った。
「え、先輩何してるんですか!?」
僕は戸惑って先輩に聞く。
「うーん、理由はない。なんとなくだよ」
でも、そう言う先輩の顔にはいつもと違った陰りがあった。絶対先輩は嘘ついてる。何かがある。僕は確信した。
「本当ですか? 絶対何かあるようにしか思えないんですけど」
「本当に何もないよ」
先輩は「何もない」の一点張り。その理由を話そうという気はないみたいだった。
先輩への嘘 くるてら @Daigakusei-Sannbyakumozi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。先輩への嘘の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます