第22話
「え、キスなんてするわけないでしょ笑 さすがに展開早すぎだよ」
先輩はまるで、本当のことかのようにそう話した。表情も口調も一切変えずに。でも、僕は知っている。先輩があの日、彼氏とキスをしたことを。1度だけじゃない。2回も、3回も。
「そうですよね。さすがにそんなに展開早かったら自分もびっくりですよ」
僕も「そうですよね」という考えを示しておく。見ていたことがバレるなんてあってはならないから。同時に僕は、少し悲しくなっていた。キスしたことを言わないのは当然だと思う。秘密にしておきたいことだと思うし、僕が当事者なら言いたくないし。でも、こんなにも露骨に嘘をつかれたというのは、やっぱり心にくるものがあった。
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