ナイトメア・バウンティ

A子舐め舐め夢芝居

ナイトメア・バウンティ

 外は薄紫の夕焼けに染まっていて、あらゆるものが切り絵のように黒い影になっていた。メイヴンはポーチに出て安楽椅子に腰かけると、空と同じ色に染まった湖とそれを囲む黒い木立を眺めた。正面では優しい白色をした太陽が水平線の下に沈む最中で、その手前を白鷺の番が飛んでいった。ここはクリーンだ。長居しても仕事は終わらない。頭で分かってはいても気持ちのよい場所にいるとどうも腰が重くなる。今日はもう仕事なんていいんじゃないかという気さえしてくる。葛藤していると近くの葦の茂みから美しい緑の羽を持つカモが現れて、無駄のない動きで蓮の浮かんだ水面を進んでいった。その先にある岩の上では亀たちが空を見上げて日向ぼっこをしている。この屋敷の持ち主は絶対に田舎出身だな。そんなことを思っていると、にわかに湖の水位が上がりだした。メイヴンが立ち上がったときには、先ほどまで湖の平和を謳歌していた動物たちは跡形もなく姿を消していた。水はあっという間にポーチを浸していった。メイヴンは屋敷のなかに駆け込んでガラスの引き戸を閉めた。正面から紫色の大波が迫ってきているのが見えた。咄嗟に近くの柱に抱き着いて衝撃に備えた。波はガラス戸を破って屋内に侵入してきて全身を濡らした。屋敷は音もなくぐらりと傾いて水に流されていった。棚は倒れて小物が散乱し、テーブルや椅子がめちゃくちゃに揺れ動いた。頭上の額縁がガタガタと揺れて落ちてきた。瞬時に後ろに飛びのく。額縁は床にぶつかってガラス片が飛び散った。そのまま近くの壁に背中をつけて事態の収束を待つ。海の中を漂っているかのような浮遊感。やがて固い何かにぶつかったような衝撃が走り、屋敷は動きを止めた。胸の位置まで水没した屋敷内をなんとか進み外に出る。屋敷は古びた寺の前に漂着していた。奥から鐘をつく音が聞こえてきていた。入り口の門をくぐると、右手に撞楼が立っており緑のモヒカン頭の男が鐘をついていた。さっきのカモが人間になった姿らしい。お堂の中に入るとやけに真新しい金色の千手観音像があった。左右には赤の運慶像と青の快慶像が立っている。仏像の手間では少年たちがテレビにプレステを繋いでマリオカートをしていた。少年たちの中に帽子を前後逆にかぶり赤いTシャツと白い半パンを身に着けた男の子がいて、胸に「yohei_shibutani@sheep.firm」と書かれたプレートを提げていた。屋敷の持ち主だ。真面目な奴。中をぐるりと一周して何もないことを確認すると、メイヴンはお堂を出て門から外へ移動した。屋敷は消えており、代わりに住宅地が広がっていた。いかにも郊外風という感じで築五年も経っていなさそうな家ばかりだ。たまたま目に止まった黄色の家の玄関に入ってみる。右側に白い靴箱があり、その上には家族写真が所狭しと並んでいた。玄関と廊下の間には木でできた玉すだれや青いインコの入った鳥かご、埃をかぶったドリームキャッチャーが一緒に吊るされていた。玉すだれをくぐってリビングに入ろうとしたがちょうど切れ間だったらしく、いつもの学校の玄関ホールに戻ってきてしまった。学校は明かりがついていないため薄暗く、掲示板のポスターすら色あせていた。ホールにはメイヴンの他にも悪夢狩りがいて情報交換に勤しんでいた。

「やあ、メイヴン。調子はどう?」

スーツケースの上に座ったハイリ―が話しかけてきた。ラテンアメリカ系の男でシルクハットにライダースーツというとんちきな格好をしている。とはいえ、自分の姿はカスタマイズできないので仕方がない。メイヴンも白のニットにスウェットを履いてポーチを腰に巻きランニングシューズを履いている。

「さっきのはクリーンだった。景色はいいが一銭にもなりゃしねえ」

「いいね。おれはもうひと稼ぎしたから薬が切れるまでそういうところでゆっくりしようと思っていたんだ」

「どんな悪夢だった?」

「飛行機がムスリムにハイジャックされてそのままドカン」ハイリーは手のひらを広げて見せた。

「アメリカ人の夢だろ、それ」

「外れ。フランス人」

「いくらだった?」

「2000ドル」

「景気いいじゃないの」

「色んな人間が共感できる悪夢だからな。他の夢領域に共有されちゃマズいものほど高値がつく」

「変性しそうな夢はなかったか?」

「俺が見てきた中で怪しかったのは『little_monkey』だね。お前が行っていたところはバカンス向きかい?」

「湖畔の別荘で夕焼けを楽しめるぜ。たまに湖が氾濫するけどな」

「いいアトラクションじゃないか」

ハイリーは立ち上がるとスーツケースを引きずって歩き出した。メイヴンが通ってきた扉を開けた。扉の向こうからは薄紫の夕陽が差し込んできた。

「いいバカンスを」

メイヴンが声をかけるとハイリーは片手をあげて扉の向こうに消えた。

メイヴンは男が消えた扉の前に立つと「little_monkey」を指定して扉を開けた。中に入ると見渡すかぎり白い砂漠だった。乾燥していたが熱さはなく、むしろ風が冷たく感じられた。砂を一掴みしてみると手のひらに粉がくっついて、コンクリートか何かを砂になるまで砕いたもののようだった。右手に巨大な骨が埋まっており、近づいてよく見ると肋骨だった。骨のアーチの下に入ってみる。肋骨の裏側には釘が打ち付けられていて、銀色の紐の先にクリスタルのついたタッセルが掛けられていた。その隣ではブックフェアのビラが風に吹かれており、さらに隣にはクレヨンでピンクの花と黄色い鳥の落書きがされていた。

 肋骨を抜けて白い砂の上をしばらく歩いてみると、今度は巨大な髑髏が埋まっていた。メイヴンの頭の五倍はありそうな大きさの眼窩には、雪でできたかのような真っ白なサルが座っていてイチジクの実を食べていた。サルはメイヴンが近づいてくるのを見ると、イチジクの実を放り出して眼窩の奥に消えた。メイヴンは眼窩に頭を突っ込んで中を見てみた。中はサファイアでできていて全てが暗い青に染まっていた。身体の向きを変えて頭上に目を向ける。眼窩の上の部分に「little_monkey@sheep.firm」と刻まれた銀色のプレートが架けられていた。メイヴンは穴から頭を抜いて砂漠を見渡した。一見、神秘的で清潔感のある空間に見えるが、歩いているうちにまるで地面が抜けていくかのような不安が腹の底からこみあげてきた。夢は刻一刻と変化していく。普通の夢が悪夢に変性するときは必ず予兆のようなものがある。この不安感はまさに何か悪いことが起こるという予感だった。この夢が悪夢になる可能性は高い。となると本格的に巻き込まれる前に出口を見つけなければならない。悪夢を見つけてもそこから脱出して報告しないとただのくたびれもうけだ。

 ところが変性はいつだって一瞬だ。メイヴンが一歩踏み出した瞬間、足場が蟻地獄になってそのまま砂の中に吸い込まれた。鼻にも口にも耳にもざらざらとした砂が流れ込む。頭の中で砂嵐が起こっているかのような轟音と混乱。胃袋に詰まった砂が固まって全身の血管に送り出され血流を堰き止めていく。注射器で吸われていくように体温が抜けていき、悪夢への予感は今や死の確信に変わっている。夢の中で起こったことが現実に影響することはないが、それでも夢の中で死ぬことはある。そうなると薬が切れて覚醒するまで死の疑似体験をする羽目になる。しくじった。食道を小さなムカデのようなものが這っている。吐き気がこみあげるのに口から胃袋まで砂で埋まっていて吐くことすらできない。息ができず喉の奥がぐっと苦しくなり意識が遠のいていく。しかし、苦痛がクライマックスを迎えることはない。夢の中の死は本物の死ではなくあくまで頭の中で起こる出来事にすぎない。メイヴンは薬が切れるまでの途方もない時間を待ち続けた。


「くっそ」

メイヴンはデバイスを頭からもぎとって毒づいた。ヘッドホンほどの大きさのそれはセンターと夢の情報をやりとりするための通信機器で〈シェパード〉と呼ばれていた。

カリフォルニアのベンチャー企業シープ・ファームが夢の映像化を実現させたのが五年前。そこからは早かった。夢はリアルタイムでクラウドにアップロードできるようになった。そして、〈シェパード〉と夢の映像を網膜に見せるためのコンタクトレンズ、あとはインターネット通信さえあれば誰でも他人の夢にアクセスし、また自分の夢に他人を迎えることが可能になった。こうして夢(ドリーム)共有(シェアリング)サービスが新しい形のSNSとして瞬く間に世界中に広がった。

このシステムを運用するにあたっての問題点は山ほどあるらしいが、その中の一つが悪夢だった。本来、人間の見る夢は悪夢のほうが多いのだという。なぜならレム睡眠時には不安や恐怖といった感情に関わる扁桃体が活発になるからだ。ところが、他人の悪夢を見たいなんて人間も他人に自分の悪夢を見せたいなんて人間もそういない。だからプラットフォームに集まった夢が悪夢かそうじゃないかを判定する仕組みが必要になった。ただ、毎秒変化していく夢が人に不安や恐怖、不快感を与えるものなのかを正確に判断できるほどAIは発展していなかった。つまり人力でふるいにかけていくしかなった。

世の中にはバグ・バウンティという制度がある。公開されているプログラムのバグを報告した部外者に企業が報奨金を与えるというものだ。シープ・ファームはバグ・バウンティならぬナイトメア・バウンティを設置した。悪夢を見つけて報告すれば報奨金がもらえるのだ。その制度に乗っかって金を稼いでいる連中を世間じゃ悪夢狩りと呼ぶ。悪夢狩りたちは夢を夢だと認識して行動する必要があるため、あえて睡眠の質を下げて意識を表層にとどめる薬を飲み、ドリームランドに潜入する。

〈シェパード〉が転がった先には利息の支払催促状やら電気水道の請求書が散らばっていた。ガスは先々月から止められていた。ベッド脇では死にかけのゴキブリがひっくり返ったまま触覚だけを動かしていた。メイヴンは悪夢の中でゴキブリになったときのことを思い出した。髪の毛のような触覚と手足が自分の胴体から生えてカサコソと動いているときの気持ち悪さときたら!なのにその悪夢にはたったの150ドルしか値がつかなかった。ファームにクレームをいれて返ってきた回答は「シベリアや北欧の寒冷地帯ではゴキブリはほとんど生息していない。ゴキブリを不快に感じるかには地域差や個人差があるため、該当の悪夢の脅威度はそれほど高くないと評価する」だった。「カフカの『変身』が世界中で読まれているのは虫になるのが皆イヤだからじゃないのか」とやり返したら「該当作品では何の虫になったか明示されていない」と返ってきた。そして賃上げ交渉は失敗に終わったのだった。

 メイヴンはベッドから立ち上がって電気ケトルでお湯をわかした。湿気て瓶底にへばりついているインスタントコーヒーをスプーンで掻き出す。染みのついたカップにお湯を注いでコーヒーをすすると、酸味を通り越して錆びた味がした。スマホでSNSを開くとセレブの誰それが環境基金に寄付しただのアメリカが対中国の輸入関税を200%に引き上げただののニュースが流れていった。ふとアルバイト募集の文字が目に入って手を止める。ボディシェアリング被験体、一日150ドル。ちぇっ、ナイトメア・バウンティのほうがまだマシだ。窓の外からは小鳥の鳴く声が聞こえてきたが、太陽はまだのぼりきっていない。コーヒーを飲み終えたら次のハントに向かおう。

 父親が子どもを轢いて植物状態にした挙句ビルの屋上から飛び降りてしまってからというもの、メイヴンの人生は慰謝料支払いを中心にまわっていた。母親は離婚することで早々に責任の連鎖から逃れていた。一度だけどうしても首が回らなくなって助けを求めにいったときには、小綺麗な邸宅からツヤツヤの赤ん坊を抱えて出てきたかと思うと、皺ひとつない札束を手渡して「二度と現れないで」と言い放った。今のところメイヴンは母親の願いを聞き入れているが、そろそろ稼がないと約束を破る羽目になりそうだ。

 テーブルの上の錠剤シートから白い粒を取り出して口に放りこみコーヒーを流し込む。本来〈アウェアネス〉を三時間以内に複数回服用することは健康上の理由から禁止されていたが、メイヴンが禁止事項を律儀に守っていたのは最初の一か月だけだった。他の悪夢狩りもそうだ。ハイリーなんてずっと寝てるんじゃないかと疑ってしまうほどドリームランドに入り浸っている。メイヴン含めて悪夢狩り連中にとっては健康などより金とスリルの方が大切なのだ。メイヴンはデバイスを頭にかぶせてベッドに横になった。

 再び学校の玄関ホール。メイヴンは運営のID「sheep_firm」を指定して扉を開けた。白い空間に長机がいくつか並んでおり、それぞれの上の壁に問い合わせ窓口の名前が書かれていた。メイヴンは「ナイトメア・バウンティ」と書かれた机に近づいてベルを鳴らした。次の瞬間、机の向こうにスーツ姿の羊が現れてちゃきちゃきと話し出した。

「情報提供ありがとうございます。ご利用IDを教えてください」

「『maven_hunter』」

「見つけた悪夢のIDと内容について教えてください」

「『little_monkey』。砂漠で蟻地獄にはまる悪夢になっている」

「ご共有ありがとうございます。報奨金につきましては悪夢の危険度を審査した上で別途メールでご連絡さしあげます」

「よろしく」

羊はメイヴンにお辞儀して消えた。メイヴンは近くの扉の前に立って活性化中のIDを検索した。ランダム転送を利用する悪夢狩りはほとんどいない。悪夢を報告するときにID情報が必要なので最初からIDを指定して移動し、その先の夢が悪夢かどうか調べるというやり方がオーソドックスだ。メイヴンは偶然目に止まった『chris_anderson』を指定した。

 扉の向こうは中世のおとぎ話や冒険譚に出てきそうな深い森だった。一本一本の木が優に30メートルは超えていて、下にはほとんど光が入ってこなかった。辺りは湿った土と草の独特な匂いがした。

 森の中を進んでいくと湖にぶつかった。湖の周りでは水仙の花が咲いており、花畑のなかを一人の少女が踊っていた。少女の手には金色の光が灯っていて、通り過ぎたあとに水栓の花が育って花開いた。メイヴンは身動きできないままその場に突っ立って少女を見つめていた。やがて少女はメイヴンに気が付くと踊るのをやめてメイヴンに近づいてきた。いつの間にか右手に赤いグミを持っている。

「やっほー、食べる?」

少女はメイヴンの返事を聞く前にグミを押し付けてきた。メイヴンは言われるままにグミを食べた。

「お手製なの。リアルでしょ?」少女は自慢げに言った。

「お手製?」

「私、夢の中で何でもできるんだ」

「嘘だろ?」

「本当だよ、ほら」

少女が指さすと水仙の花がグルんと回ってチューリップに変わった。それから腕をさっと撫でると白のワンピースが青のセーラーになった。

「すげえ」

薬なしでも意識を閾値上に保ち、夢を自在にコントロールできる人間がいると聞いたことはあった。けれども実物を見るのは初めてだった。

「なあ、それどうやってやるんだ?」

「簡単だよ。夢って頭の中だけのことで現実には起こってないでしょ。ぜんぶ嘘なわけ。ぜんぶ嘘だからぜんぶ本当になるってこと」少女の手が金色に光ると今度は緑色のグミが現れた。少女はそれを口に放り込んだ。

「他の奴の夢もいじれるのか?」

「うん。ここも私の夢じゃないし」

「じゃあ人の夢を悪夢に変えることもできるのか?」

少女は驚いた表情でメイヴンを見つめた。その視線には特に非難の意など込められていなかったが、メイヴンは目をそらして頭をかいた。少女は首をかしげながら言った。

「そんなことして何になるの?」

「別にいいよ。できないなら」

メイヴンの言葉に火がついたのか少女は「できるってば!」と叫び、本当に周りに火をつけはじめた。チューリップは灰と化し、炎に包まれた木が轟音とともに倒れ始めた。すぐに煙が立ち込めて喉を焼いた。このままここにいたら窒息死するか焼け死ぬかだ。早く脱出しなければ。そう思っていると、少女の上に燃えた木の葉の塊が落ちるのが見えて、メイヴンは咄嗟に少女を抱えて湖に飛び込んだ。

湖は温泉のように温まっていて肌にまとわりつくようなねっとりとした質感があった。水中には灰色の粘土でできた奇妙な形の魚がゆったりと泳いでいた。隣で金色の光が瞬いたかと思うと耳の後ろから泡の出る感覚がした。触れるとスリットのような穴ができていた。隣の少女がいたずらっぽく笑いながら自身の耳の後ろを指差しており、見ると魚のエラができていた。二人はそのまま湖の奥に潜っていった。湖の底に木の扉がはめ込まれており、メイヴンは扉を開けて通り抜けた。

「面白かったね」

少女は白い歯を剥きだして笑った。目元に笑い皺がくっきりと浮かび上がっている。こいつは使える。またとないチャンスに胸が躍った。メイヴンは前髪をかきわけて少女に提案した。

「俺たち友達にならない?」

「友達って口約束でなるものなの?」

「ここじゃ何でも本当になるんだろ。今日から俺とお前は友達」

「お前じゃなくて私はレイティ」

少女はメイヴンの手を握って笑った。


 次に会った時、レイティは白のブラウスにカーキパンツという出で立ちだった。

「面白い夢を見つけたんだ」

「どこ?」

「一緒に行こう」

レイティに連れられて扉を抜けた直後、メイヴンは走る何かに乗っていた。振り落とされないよう、目の前の手綱にしがみつく。暗い色をしたうろこ状の皮膚が目に入った。隣のレイティを見ると『ジュラシック・パーク』に出てくるヴェロキラプトルにまたがっていた。ラプトルの群れは開けた草原を疾走しており、体感では時速80キロくらい出ていそうだった。さわやかな空気を切り裂いて進んでいく爽快感は夢ならではの強烈な快感をもたらした。時折現れる倒れた巨木を難なく飛び避けて青空の下を駆けていく。ラプトルが地面を踏んだときの衝撃が腹に響いたが、それすら心地よかった。

「ね、気持ちいいでしょ」

レイティがラプトルの上で叫んだ。

「最高」

二人はしばらくラプトルツーリングを楽しんだ。ラプトルは草原の端に到着すると立ち止まった。二人はラプトルから降りて、レイティの出したアイスティーを飲んだ。メイヴンは本題に入った。

「ティラノサウルスも出してくれよ」

「なんで?怖いじゃん」

レイティはストローを噛みながら渋い顔をした。

「スリルだよ、スリル。出せない?」

「出せるよ!」

レイティはカップを投げ捨てて手を金色に光らせた。次の瞬間には映画で聞きなれた咆哮が響き渡り、びちゃびちゃと大粒の雨が降り出した。地響きとともにティラノサウルスがこちらに向かってきた。そこからはサム・ニール顔負けのアクションだ。映像をダウンロードして加工すれば立派な『ジュラシック・パーク4』ができるだろう。

 ぎりぎりのところで脱出すると興奮さめやらぬレイティを残して、メイヴンは急いでティラノサウルスの悪夢を運営に報告した。戻るとレイティはホールの隅にしゃがみこんでそわそわと上体を揺らしていた。

「どこ行ってたの?」

「そんなことより早く次のところ行こうぜ」

メイヴンの言葉にレイティは歯を剝きだした笑顔でうなずいた。


 二人はほとんど毎日一緒に夢を渡り歩いた。レイティのおかげでメイヴンの報酬は右肩上がりになり口座残高は一桁増えた。レイティは扱いやすかった。「幽霊を出せ」と言っても言いなりにはならなかったが、「幽霊を出せるか?」と聞けば躍起になってメイヴンの望みをかなえた。

 ある日、メイヴンは偶然見つけた夢にレイティを連れて行った。そこは空と海が逆転している世界で、空は静かに波打って地上を色とりどりの魚が行き交っていた。以前、レイティが水族館が好きだと言っていたので喜ぶだろうと思ったのだ。レイティはプカプカと浮遊するクラゲや頭上を泳いでいくイルカを見て突然泣きじゃくった。

「どうしたんだよ。面白くないか、ここ」

「今日、私の誕生日なの」レイティは鼻声で言った。「すごく嬉しい。一番きれいなプレゼント」

メイヴンは目の周りを赤くして歯を剥きだすレイティを見て、この夢を悪夢に変えさせるのはよすことにした。二人は魚との散歩を楽しんだり海を飛ぶマンタに乗ったりして楽しんだ。レイティがメイヴンの誕生日を聞いたのはサンゴの森を歩いているときだった。

「私たち同い年だったんだ。歳近いとは思っていたけどね」

「俺の誕生日はとびきりクールな夢を作ってくれよ」

「まかせて。メイヴンの学校はどこ?」

メイヴンは近所の小さな大学の名前を言った。本当は高校を中退して仕事漬けの日々だったが、正直に話すと昼間何をしているのか怪しまれるだろう。余計な一言で自分が悪夢狩りだとバレるのは避けたかった。

「そろそろ別の夢に遊びに行かない?」

レイティの提案で二人は適当なIDを指定して移動した。そこは砂漠の灰白色の低い建物が並んだ町で浅黒い肌の人間が行き交っていた。新型モデルの車が通ったかと思うと、頭に水瓶を載せた女が道を横切ったりと文明レベルのよく分からない場所だった。

「砂っぽいな」

「中東の人の夢かな。ターバン巻いてる人もいるし」

メイヴンはここをどうやって悪夢にするか考えた。砂の大波が押し寄せてくる。これではリアリティがない。サソリの大群が襲ってくる。これもまた個人差がどうこう言われそうだ。もっとリアルな恐怖がある夢にしないと金にならない。大金になる悪夢。メイヴンはハイリーがハイジャックの悪夢で2000ドル稼いだことを思い出した。テロや戦争の悪夢は高値がつく。そこでメイヴンはちょっとした思いつきのフリをしてレイティに言った。

「ここ爆撃できるか?」


 翌日、メイヴンの口座には3000ドルが振り込まれた。メイヴンはさっそく金をおろしに外へ出た。空は晴れていて蒸し暑く、歩いているとじんわりと汗がにじんできて顔の輪郭をなぞっていった。レイティのおかげで夢の中では実際よりもすばしこく動いたり力持ちになることができたが、このくっきりとした現実感はやはり夢とは決定的にちがった。さっさと家に帰って今日はゆっくりしよう。金の詰まった財布をポケットにしまいこんでメイヴンはアパートに向かった。

 帰宅すると〈シェパード〉の放り出されているベッドに転がる。SNSを開くとタイムラインはカズブ国の内戦に関する投稿で埋め尽くされていた。昨日、政府軍が反政府勢力の鎮圧のために市街を爆撃したらしい。その動画があちこちで拡散され非難のコメントを吸い寄せていた。タップして動画を再生する。水瓶を頭に載せて道を渡る女。爆発音が響いて白茶けた煙とともに建物が崩壊し、女は瓦礫の下に消える。人々の悲鳴とサイレンが響き渡る。くすんだ空を爆撃機が飛び去っていく。

 昨晩レイティが作った悪夢の映像だった。誰かがダウンロードしてフェイク動画に加工したのだ。ドリームフェイクと言って最近増えているらしい。タイムラインをスクロールしていくがまだ誰もフェイクだと気が付いていないようだった。それどころか最新ニュースでは、反政府勢力が動画を受けてカズブ政府の高官宅を襲撃したなんて言っている。内戦の激化は避けられないという諦めと興奮がタイムラインを支配していた。

 俺は悪くない。こんなことになるなんて誰が予想できる?俺はただ金が必要なだけだ。誰だって金がなきゃ生きていけない。フェイク動画を作った奴が悪い。俺は何もしていない。

 メイヴンは居ても立っても居られず〈シェパード〉をかぶった。誰かと話をしたかった。戦争なんかとは全然関係ないくだらない話を。けれどもこういうときに限ってレイティはおらず、代わりにハイリーがキャリーケースに腰をおろしていた。学校の玄関ホールはいつもよりも悪夢狩りたちで賑わっていた。

「今日は稼ぎ時だな。戦争のニュースがバズった日は戦争の悪夢が増える」ハイリーは頬杖をつきながら言った。

「あんたもそれ狙い?」

メイヴンは平静を装って言った。

「もちろん。爆発する夢は慣れっこだし。カズブ人ってどんなID使うのかな」

「カズブってカズブ語だっけ」

「さあ。けどIDはアルファベットだろ。やっぱり適当な英単語で指定するしかないかな」

「せめて地域くらい指定できるようにしてくれりゃいいのにな」

「シープ・ファームのご意見箱にでも送ってみるかい?」

ハイリーと話しているあいだも人はどんどん増えた。メイヴンもハイリーも静かなほうが好きなので、二人でどこかの夢に移動しようという話になった。指定するIDについて話していると背後からレイティの声がした。

「メイヴン!あの動画見た!?」

「レイティ…」

「誰、その人?」

「友達。ハイリーだ」

「やあ」

ハイリーはレイティに向かって片手を挙げた。レイティもいつものように歯を剝きだして手を振り返した。

「レイティです」

「お前も隅に置けないな、メイヴン」

「それよりも動画!カズブの!あれって私たちの夢がフェイクに使われたってことでしょ!あれのせいで内戦がひどくなったって…どうしよう…」

メイヴンは黙れとレイティの横っ面を張り飛ばしたくなった。案の定、ハイリーは怪訝そうな顔をしている。どう取り繕うか。メイヴンが考えるあいだもレイティはとどまることを知らなかった。

「ハイリーさんも見ましたか、カズブの爆撃動画」

「見たよ。今日は戦争の悪夢が増えるね」

「どうしよう…私そんなつもりじゃ…ぜんぶ嘘なのに」レイティは頭をかきむしった。

「どういう意味かな?」

「私、夢を書き換えることができて、それで爆撃の夢を作ったらフェイクに使われたんですよ!」

「へえ。じゃあ稼ぎ放題だね」

「稼ぎ放題?」

マズい。これは良くない流れだ。でもここからどうやって話題を変えられる?

「あれ?悪夢狩り仲間じゃないのかい?てっきりレイティちゃんが悪夢を作って二人で荒稼ぎしているのかと。最近、メイヴンの羽振りがいいのってそういうことなのかなって」

ハイリーの科白でレイティの目がきゅっとすぼまった。それからメイヴンのほうにころりと視線が動いて、唇が

「どういうこと?」

と掠れた声を発した。手は小さく震えはじめていた。

「落ち着くんだ、レイティ」

「悪夢狩りなんて初めて聞いたよ」

悪い兆候だ。頬が赤く染まって噴火直前の火山みたいになってやがる。

「教えてよ、メイヴン」レイティは小さな声でつぶやいた。「いつも私といるとき、どこかに行っちゃうことあるよね。あれ、どこに行ってるの?」

「それは…」

何か上手い言い訳を言え。メイヴンは必死で頭をめぐらせたがレイティの爆発のほうが早かった。

「ずっと騙してたんだ!騙して私を利用した!私は友達だと思ってたのに!」

レイティの叫び声に悪夢狩りどもは驚いた表情で振り返った。違う、と言いたかったのに口が乾いて動かなかった。友達になろうと言ったのも、海の夢に連れて行ったのだってまるっきり嘘だったわけじゃない。フェアじゃないというなら今までの金を分けたっていい。次々に浮かび上がる言葉は喉で渋滞を起こして何一つ出てこなかった。レイティは周囲などお構いなしに近くの扉を開けて何も指定せずに出ていった。ランダム転送だ。追いかけようにも追いかけられない。メイヴンは閉じられた扉の前で立ちつくした。ハイリーは眉尻を下げて

「マズいことを言っちゃったみたいだね。ごめんよ」

と謝った。メイヴンは自分がレイティのIDも現実世界での連絡先も知らないことに気が付いて愕然とした。これじゃあ弁解しにいくこともできない。まさかこれっきりなんてことないよな。けれどもメイヴンの不安は既に確信に変わりつつあった。

 その日、メイヴンとハイリーは二人合わせて15000ドル稼いだ。本当はもっと多く稼ぐことができたが、ハイリーに帰って休むように勧められ途中でリタイアした。悪夢の中を走り回るあいだも、メイヴンはレイティの姿を探していた。そして、リタイアした後も試しに「laity」とつくIDを指定して片っ端から探してみたが、レイティは見つからなかった。結局、休むどころかその日は12時間ぶっ続けでドリームランドを徘徊していた。四回目の覚醒後、メイヴンはすぐに薬を手にとったが、どのシートも空になっていてカサカサと乾いた音を立てるのみだった。スマホをたぐりよせてSNSでレイティの名前を検索する。これもダメだった。カズブでは政府高官の暗殺を受けて今度は本当に市街地に空爆が行われていた。ニュースを追いかけるうちにメイヴンは眠りに落ちていた。夢は一つも見なかった。


 夢(ドリーム)共有(シェアリング)サービスにアクセスすると爆撃の悪夢を見るという噂が広まりはじめたのは数か月後のことだった。SNSでは新手のサイバー攻撃だとか集合的無意識の顕在化だとか様々な憶測が飛び交った。メイヴンに分かるのは実際に爆撃の悪夢の数が増えているということだけだった。そして、それらを利用したフェイク動画も加速度的に増えていた。しかし意外な影響もあった。世界各地でカズブの内戦に対する反戦デモが起こったのだ。SNSでは爆撃の悪夢を見た人々が「#Real Bomb Nightmare」のハッシュタグとともに自分の悪夢について語り、現実に起こっている爆撃という悪夢への危機感を表明した。どうやら人は現実のニュースを見るよりも頭の中で疑似体験するほうが当事者意識を持つらしい。

 メイヴンはいつも通り悪夢を見つけて学校の玄関ホールに戻った。ちょうどハイリーも戻ってきたようだったが、メイヴンは気が付かないふりをして「sheep_firm」に向かった。あの日以来、ハイリーに対しても気まずさを覚えるようになっていた。要するにメイヴンはハイリーに内緒でズルをしていたのであり、それはハイリーのことも騙していたということになるのだ。メイヴンはハイリーを見る度に自分の愚かさを思い出さざるをえなかった。運営への報告を終えて学校の玄関ホールに戻るとハイリーがキャリーケースに座っていた。メイヴンを待っているようだった。ハイリーはブランクなんてなかったかのように話しかけてきた。

「やあ、メイヴン。調子はどう?」

メイヴンはハイリーの優しさに甘えた。

「あっちもこっちも爆撃だ。おかげで稼ぎは上々だけどな」

「ありがたいよね。ディス・ガールはまさに金の女神様だ」

「ディス・ガール?」

「知らないかい?爆撃の悪夢って人為的に作られているって話。ほら、夢を自在にコントロールできる人っているだろ?そういう人間が反戦感情を呼び起こすためにわざとやっているんじゃないかって。ていうのもみんなの爆撃の悪夢に同じ女の子が出てくるって都市伝説があるんだよ。それでディス・マンならぬディス・ガールってこと」

ハイリーはいたずらっぽく笑って

「探してみたら?」

と提案してきた。メイヴンの考えることなど全てお見通しらしい。メイヴンは

「いいね」

とだけ答えた。

 それからメイヴンは実在するかも不明なディス・ガールを追いかけるようになった。ハイリー以外の悪夢狩り連中からは都市伝説を信じ込むバカ扱いされたが構わなかった。そんな連中には

「とびきりの美女かもしれないだろ」

なんてごまかして情報を聞き出した。レイティは美人なんかじゃない。笑い方も変だし見栄っ張りですぐにすねるし、必死に追いかけまわすのにふさわしい値打ちのある女じゃない。それでもメイヴンは爆撃の悪夢の情報が入ればすぐに飛び込んでいった。

その日、メイヴンはディス・ガールを見たという人間と会う約束をしていた。やってきたのはブロンドをボブにした美人で、ボーダーのシャツとジーパンという出で立ちだった。近くのカフェでコーヒーを飲みながらメイヴンたちは自己紹介した。女はナタリーと言って普段はエンジニアをやっているらしい。最近、反戦デモに参加するようになり休日はそれに費やしているという。爆撃の悪夢を見て心から恐怖し、その後ニュースで夢の中の出来事が実際に起こっている様を見てショックを受けたのがデモ参加の理由だとナタリーは言った。

「ただの悪夢で終わらせたらいけないと思ったの。夢はまるっきりのでたらめなんかじゃなくて現実と繋がっている。あの爆撃は実際にカズブに落とされたものなのよ。私はそう思った」

ナタリーは早口でまくしたてた。

「ふうん。俺は毎日見てるけど分からねえや」

「毎日!?」

ナタリーは信じられないと言いたげに目を見開いた。

「言っただろ。悪夢狩りだって。どいつもこいつも同じような悪夢を見てるぜ」

「それで何も思わないの?戦争の恐ろしさを感じるでしょ」

お前だって実際に体験したわけじゃないだろと言いたくなるのを我慢して、メイヴンは「別に」と答えた。ナタリーの顔に軽蔑の色がよぎるのをメイヴンは見逃さなかった。

「みんな遠い国のことだからって無関心すぎる。まあ、私もそうだったからあんまりエラそうなこと言えないけど」

本当はいかに自分が正しい人間かアピールしたいんだろうな。実際、ナタリーは正しい。他人の悪夢を盗み見て金を稼ぐより、よっぽど世の中のためになることをしている。動機や本心がなんであれ、人はやったことで評価される。レイティがメイヴンを責めたように。

「それよりディス・ガールを見たときの動画はあるか?」

「怖くてダウンロードしていない」

「閲覧許可を出してくれ」

シープ・ファームでは本人が許可するとフォロワーが夢のアーカイブにアクセスしダウンロードすることができるようになる。メイヴンは並んだ動画の中からナタリーが爆撃の悪夢を見たという日付のものを選んでクリックした。画面にトウモロコシ畑と古びた一軒家が映った。ナタリーが解説をはじめた。

「これ、テキサスかどこかの農場。本当は住んだことなんてないよ。行ったこともない。でも夢だとこうやってテキサスの古い一軒家とトウモロコシ畑があって、そこが私の家だった。家のバルコニーで縫い物をしてるのは母さん。私はトウモロコシ畑の中にはいって父さんを探してた。父さんは保安官って設定だった」

視点がトウモロコシ畑の中を進んでいった。視点が地面に向くと白いウサギが何匹もいた。画面の隅からナタリーのものと思われる白い手が現れてウサギを撫でた。

「このウサギ、洗い立ての毛布みたいにフワフワしてたの。それがすごく気持ちよくて、私は父さんを探すのを忘れてウサギと戯れてた。そしたら―」

急にぴゅーっと高い音が響いた。その次には爆発。その瞬間、視点はぐらついてゴロゴロと回転した。ウサギたちは倒れて動かなくなっていた。白い手が恐る恐るウサギの身体に伸びていっが、触れると火傷したかのように引っ込んだ。。

「見た目はきれいなのに触ったらゼリーみたいにグズグズになってた」

視点は立ち上がって左右に揺れながら土煙の舞い上がっている方向に進み始めたが、急にスロー再生になった。

「私はトウモロコシ畑の中を走って家のほうに戻ろうとした。でも夢の中ってうまく走れないときがあるでしょ?身体がスローモーションになる感覚。あれが起こって全然トウモロコシ畑から出られなかった」

そのあいだも爆撃は続いてトウモロコシ畑のあちこちから黒い煙があがった。その度に支店は倒れてゴロゴロと回転した。ようやく視点がトウモロコシ畑の外に出ると、家が跡形もなく無くなっていた。

「夢の中なのに母さんが死んだんだって本気で思った。すごく悲しくて起きたあとに泣いたくらい」

さらに爆撃があって視点がトウモロコシ畑のほうを振り返った。

トウモロコシ畑のなかにレイティが立っていた。白いウインドブレーカーを着ており、なだめるような笑みをこちらに向けている。右手が金色に光ると空に新たな爆撃機が現れて爆弾を落とした。爆発のあと、視点が戻るとレイティは姿を消していた。動画はそこで終わっていた。

「この子がディス・ガールだと思う」ナタリーが言った。「明らかに爆撃を起こしているんだもの」

「そうだな」

「知り合いなの?」

「なんでそう思う?」

「そんな顔してた」

ナタリーはすべて心得たと言わんばかりの笑みを浮かべていた。

「別に想像してるような関係じゃないぞ。ただの友達」

「へえ。なんで探してるの?」

「喧嘩別れしたんだよ」

「こんなに必死に探すなんて大事な友達だったんだね」

メイヴンたちはカフェを出て交差点で別れた。今のメイヴンは女にコーヒーをおごれるくらいには懐に余裕があった。ディス・ガール特需のおかげである。慰謝料支払いも滞りないし、ガスが止められることもなくなった。それでもメイヴンはレイティを探さずにはいられなかった。あの剝きだしになった白い歯と金色の美しい光をもう一度見たかった。

 太陽は沈んでしまって街燈が通りを照らしていた。その小さな偽物の太陽の周りには黒い虫が群がって飛んでいた。他人の悪夢を渡り歩く悪夢狩りのように。

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ナイトメア・バウンティ A子舐め舐め夢芝居 @Eco_namename_yumeshibai

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