胸の内側
紺碧
内側
ゆっくりと音を上げていくのを抑え込む。
下の方へ、下の方へ。「浅瀬に居続ける事を拒むみたいだけど、アナタはここにいちゃ駄目なの」、と言い聞かせて自分の首を絞めていくのをじっくりとじんわりと味わっていく。
泣きたくなった。でも笑顔を貼り付けた、あの日から随分と年月を彷徨った。
答えも出せてないのに、応えるばかりの人生だ。正解なんてなくて、数字ばかりを追いかけた。
響く曲は枕の下に隠したまま何処かへと消えてはまた探して引き出す。
遠い所で泣いているであろう声には気づかないふりを続けないと生きてけない。いき苦しさがずっと蔓延って、曇の日が一番安心するようになった。笑わずにいれて泣かずもいれる、そんな日が続く。
鬱陶しいぐらいの憂うつとした感覚が拭えきれない。
また、繰り返す。ゆっくりと音を上げたい自分を抑え込んではせっかく着飾った自分が醜く歪んで、揺らめいている。
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