(元)創造神は異世界開拓中……

詩神 「カクヨムコン」参加中☆

第一神話 幸福な時間

『神界』


それは存在する全ての世界にある神のみが存在する世界

例えば、剣と魔法の世界、機械的に発展したSFな世界、スペース的な発展を遂げた世界、逆に古代的に発展した世界

誰もが考える世界を監視し調整する、それが神界


ごく普通の人間が一つの世界を想像したとする

先程も述べたように、剣と魔法の世界を想像した

その瞬間パラレルと言われる現象により遥か彼方の場所によって想像された世界が構築される

こうして宇宙は幾つもの異世界想像された夢で構築されている


神は数多ある異世界を監視し、時に啓示を与え

時に断罪をする、そういう役目を持っている


そんな中、一人の神は退屈そうに宇宙を眺めていたのだった


「………………すげぇ暇」


名を『ファラ』

ラグナロクを巨人と神、両者被害を出さずに沈め

アポカリプスを予言の前に鎮圧させた創造神

神界で数人しかいない伝説保持神レジェンドホルダーなのだ


「ファラくん………またこんな場所で仕事をサボってるの?」


「んぁぁ………ミュウ〜…サボってないよぉ〜」


「またそんな風に言って……そろそろ部下の天使達に怒られるよ?」


『ミュウ████』

ファラの妻(神同士で夫婦になるのは珍しいことでもない(ゼウスやハデス、ロキなどがいい例)

長い白髪に紅い瞳孔を持ち、白のブラウスに所々黒紫色の鎧を纏い白く後ろに長いスカートを着た女性

ファラから分離した神でありこの世全ての憎しみなどの感情を受け持つ神、尚本人は元々落ち着いた性格なので司る感情に作用はされていない

ファラとは違い幻想神ファンタジアでもある


「……………ねぇ」


「ん?」


「この後…予定とか……」


「……?!君から誘われるなんて……俺もう死んでもいいかも」


「やめて」


「アッハイ…スイマセン…」


「それで……予定は?」


「んーんー……うわ…異世界の管理めっちゃ残ってる…ちょっと厳し……」


「えー……せっかくデートとか……ファラくんの大好きな地球のゲームとか映画観ようと…」


「よーし創造神頑張っちゃうぞー!こんな仕事数分で片付けちゃうぞー!」


ファラは食い気味に張り切りすぐに居なくなったと思いきや、数分も経たぬうちに戻ってきた


「ふぅ………一気にやるとちょっと疲れるね」


「……………」


ミュウは呆気にとられていた


「あはは…それで?デートってどこ行く?仏界?黄泉?それとも異世界ツアー?!」


「落ち着いて落ち着いて……行くのは……」



〜仏界・娯楽天〜


「わっ…わぁ…!」


「どう?」


「わっ…………わぁ…………」


「ファラくんが嬉しさのあまり泣いちゃった……」


「す゛こ゛く゛う゛れ゛し゛い゛」


「泣きながら話すからすごい声になってるよ」


「た゛っ゛て゛……た゛っ゛て゛…

ぎみがらでーどのおざぞいにざぞわれるなんで…うれじぐで!」


「ちょっ…ちょっと…」


ミュウは顔を赤らめてしまった


「さっ…さぁ!早く行きましょ!神が多いんだから!早く行かないとちゃんと見て回れないわ!!」


「う゛ん゛!………ふぅ…行こっか!」


そういい娯楽天を見て回った


「あっ見て!あのぬいぐるみ!」


「ん?あれ…欲しいの?」


「うん!!」


「…………欲しいのはいいんだけどさ…」


「でかくない?」


ミュウが指差したぬいぐるみは背丈が六尺程あるファラが横に三人ほどの大きさをしており娯楽天の縫い屋の商品棚に置かれていた


「…………ダメ?」


ぐっ……そんな顔されたら買いたくなってしまうじゃないか


まっ…まぁ……お金の問題とかじゃないからいいんだが…


「前もこれぐらいの大きさのぬいぐるみ買って部屋に入らないって言ってなかった?」


「むぅ……それはそうだけど…」


「……………………」


ぐっ……くっ…そんな悲しそうな顔されると…されると…


〜数分後〜


「ありがとうございましたー」


……買ってしまったではないか、しかも二体


くっそほんとこういうの弱いんだよねぇ…


「ありがと!旦那さん♡」


くっそこんにゃろ嵌めたな?まぁいいや可愛い顔見れたし


「それじゃ次はどこ行くの?」


「ふっふっふ…次はね…」


〜再録展・催物〜


「地球の映画見よー!」


「…………………」


「…?ファラくん?」


「…………だ、」


「え?」


「………やだ」


「やだ!やだ!アタイ怖いのヤダ!」


「ちょっ…ちょっと!ファラくん!」


「ヤダヤダ!これあれでしょ?!二十世紀末に地球の日本で誕生した映画でしょ!?やだやだやだやだやだやだ!」


みっともないとか大袈裟とかなんでも言うがいいぞ!だって俺怖いの無理だもん!!神のくせして幽霊見た瞬間泣いちゃうんだもん!!なんで怨霊に物理効かないの?!怖いよぉ!!


この神、理由はあるがそれを抜きにしてもくっそビビリなのである


「…………無理?」


「無理無理無理無理無理無理!」


「そっかァ……これ終わったら…ファラくんのお家でゲームしようと…」


「見ます」


「え?でも無理っ…」


「見ます、見させてください、なんならシリーズ全部見させてください」


「それは無理だけど…いいの?」


「正直めっちゃ怖い」


格好がつかない神なのだった


〜鑑賞後〜


ファラは白くなっていた


「そんなに?!」


「怖い…幽霊怖い…呪いのビデオ怖い…」


「そっ…そっか…それじゃあ…」


「家行こっか、歩いて」


「…うん」


外から見れば泣いた子供と手を繋いで帰る母親のようだった


「………………フヒッ」


〜天界道〜


「いやはや…ほんとごめん…」


「いいよいいよ、それにファラくんのそんな所知れて良かったし」


「うぅ…知られたくなかった」


「あはは!」


「………………ねぇ」


「ん?」


「………最初は現状をよく理解出来なくて喧嘩してたけど…今はほんとに…」


「幸せだね!」


「……そうだね」


その時、ミュウの後ろからが飛んできた


「…?!ミュウ!」


「……え?」


ファラはミュウを押して飛んできたを受け止める


「……………っっ」


「ファラくん!?大丈夫?」


「…俺は大丈夫だが…ちょっとマズイね」


辺りを見回すと…


「へっへっへ……おいおい創造神さんよぉ…最近自惚れてんじゃねぇか?」


「チッ…野良の神共か…」


神が百以上、ファラとミュウを囲むようにやってきた


「おっ?創造神の嫁までいるじゃねぇか…こいつぁいい…道具にしてやるわ」


「あ?」


「最近アンタらの行動とかにはイライラしててなぁ…お前らだけ幸せになってんのは気に食わねぇんだわそれに…」


「お前を隷属させりゃ俺らは頂点に立てる…!あぁ想像しただけで堪んねぇなぁ!」


周りにいた神は醜い笑い声を上げ軽蔑する


「…………はは…神が人間のような事を言うな…どうした…最近の神共は此処まで堕ちたのか?」


「ははは!人間も何もベースは俺らなんだから何の説得力もねぇよ!」


「………」


本当にマズイ、俺だけならまだしもここにはミュウがいる、最悪転移で逃げることも出来るが…

危険は多い…仕方がないか…ミュウだけでも…


「………………転移」


「させっかよ!!」


ファラは転移陣を開くが妨害される


「………なるほどなぁ…少しは頭が働くようだ」


仕方がない…転移陣が出来れば少しは楽ができたけど…流石にミュウが危なすぎる…強制転移の方を使うか…でもこれだけ居たら何柱かは逃げられるな…


「よし…殺すか」


そういいファラは鎌を召喚し、ミュウに近い神を斬った


「…………は?」


斬られた神は何が起こったか気付かず地面に伏せた


「仮にも創造神に喧嘩を売ったんだ…どうなるかは分かるか?下賎な神共よ」


鎌を薙ぎ払い、数柱の神を殺し、更に問う


「それで?こっからなにか策とかあんのか?」


「………チッ…やれ!」


「自分は何もしねぇのかよ…」


やってくる神を斬り伏せながらミュウを守る


「…………今だ!」


「?!」


ミュウの背後から殺気?!


「チッ…ミュウ!」


「あっ……」


まずい…間に合わない…いや…手は届く!


ミュウを押してファラが前に出る


目の前は血によって防がれた


「………あっ…え?」


「………………がっ……」


そこには…心臓部位を突き刺されたファラがいた

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