ロリコン、愉悦の運命を歩む

にゃむる

第1話

幼女ロリがいる……ハハッ、なんて可愛いんだろう! ほんと、全身舐め回したいぜ」


 俺こと、小倉おぐら闇狐あんこ変態ロリコンである。未だ高校2年生若輩の身でありながら歴戦の猛者ロリコンであった。


 そして今日も今日とて、幼女ロリをストーキンg……見守りをするために一定の距離を空けつつ、背後をつけていた。


「ふふふ。○○ちゃん今日も可愛いなぁ、お兄さん興奮してきちゃったよ……!」


 電信柱の影から頭を覗かせ、幼女をいやらしい目で見ているその姿は他の人が居合わせれば即通報されるだろうキモさであった。


 そんな風に幼女ロリをストーキングをしていると、アニメか何かの塗装がしてある痛車がロリめがけてかなりのスピードで突っ込もうとしていた。だが、幼女ロリ達は他の友達と話すことに夢中なのか気づいた様子がなかった。


 そのとき、俺は考えるより先に体が動いていた。


 ……確かにロリコンはキモいし気色悪いかも知れない。


 だが! ロリを思う気持ちは本物なのだッ!!


 そして俺はロリ達を突き飛ばし車に轢かれた。



(あ、明るい……というか白い? なんだここは?)


 俺が目を覚ますとそこは何も無いただ白いだけの世界だった。


 なぜこんな場所にいるのか不思議に思い今までを振り返っているとロリコンであること、ロリを見守っていたこと……自分が痛車に轢かれたことを思い出した。


だが、余計になぜこんな場所にいるかがわからない。俺がいるべき場所はこんな訳もわからない場所ではなく病院だと思うのだが……。というか車に轢かれたのに怪我や痛みがない?


 今更ながらその事実に気付いた俺はさらに戸惑い、あわあわしていると急に金縛りにあったように動けなくなり、とてつもない威圧感プレッシャーが体にのしかかった。全身から冷や汗が出てくるような感覚、『後ろを向いてはいけない』ということを俺のすべてが叫んでいる。


 この特異な状況の中一つ言えることがある。




 ナニカに見られている・・・・・・・・・・……と。




 その何かが何なのかはわからないがそれだけは感じる。


 死んだあとにまた死ぬのか……死ぬならロリに刺されたかったなぁ。いや、ロリを守るために死んだからそれはそれで本望なのか? でもなぁ……どうせならロリのハーレムを作ってそのロリたちを守るために最終的にロリに刺されたかったな。ロリとは結婚できないしハーレムも作れないだって? ケッ、法律はいつでも俺の邪魔をする!


 この緊迫した状況の中そんなことどうでもいいことを考えていると、突然『あはっ』という幼女の笑い声が聞こえた。


 ん? なんで幼女かわかったか、だって? 決まってるだろ、俺がロリコンだからさ!


「いやぁ〜、キミ面白いね! ボクが一瞥したっていうのにそんな変態的な考えを止めないとか、マジのロリコンなんだね!」


 なんか笑われた……というか思考を読まれた? っていうか、そんなことはどうでもいい! ボクっ娘ロリだと!? そんな幻の存在が本当にいたのか!


「ああ、そうだ。俺はロリコンだ!! だから、早くその姿を見せてくれ! 俺はボクっ娘ロリが見たい!!!!!」

「あははは! ふふ、お腹痛い……いいよ、見せてあげるよ。このボク、『愉悦のタイタン』である『フーリ』の姿をね!」


 俺が必死に懇願すると更にツボに入ったのか更に笑い始めたが、姿を見せてもらえるようだ。


 でも……今、この幼女ロリは愉悦のタイタンって言ったか? ………………な、なんて素晴らしいんだッ! やはり黒髪ツインテールボクっ娘ロリは神だったんだ!! ちなみになぜ黒髪ツインテールか分かったかというと俺の『幼女察知ロリータエンハンス』が反応したからである。


 なんてふうに神様の御前にも関わらず、黒髪ツインテールボクっ娘ロリが神であるということに感動していると、眼の前に神々しい光が溢れてきて——!?


……。


…………。


………………。


「ハッ!? 意識を失っていたというのか……?」


 このあらゆるロリを目にしてきた俺の脳がキャパオーバーするほどだと……!?


 そんな美幼女を見逃すわけには行かない!


「見なければ……! 見なければァ!」


そして俺はまだいるであろうフーリ様の方を向いた。


「っ!」


 あらかじめ覚悟を決めていたとはいえ、気を失いそうになった。漆のように美しい黒髪ツインテール、ルビーを思わせる赤い瞳、シミ一つない白乳色の肌。




 俺の理想の女神ヴィーナスがそこにいた。その衝撃ショックで俺は思わず——




「もうっ、大好きです!」


 ——俺は告白していた。


「え……? えぇ!? ボクを正面から見て正気でいることができた上に……こ、告白?」


 頬を赤らめながら俯く彼女に正直、かわいい以外の感想が浮かばない。フーリ様かわゆすぎる……!


 というか、先程の発言から推測するにフーリ様を見ると発狂する? ……でも、俺はなんともないし大丈夫やろ。


「何度でもいいます。俺はフーリ様のことが好きです!」

「からかわないでよ! ………………その、本気?」

本気マジです……!」


 大真面目に宣言するとフーリ様は顔をまた赤くした後、『こほん』と一息ついて喋り始めた。


「本来すべきだった事を思い出したから言うね! まず、君は死んだ。だから異世界に転生させてあげようってコト。でも何もわからない状態で異世界に放り出すわけではなくて、異世界の一般常識とある程度の天賦ユニークスキル能力スキルを授けて転生させるから安心してねっ」

「スキル?」

「うん、そこら辺も込みで一般常識を理解さわからせるからね! えいっ」


 可愛らしい掛け声ともに俺の頭の中に一気に情報が流れ込んできた。今、俺に身体というものがあったなら激痛を味わうか、失神していただろう。


 だが、流れ込んできた情報はすごく役に立つものばかりであった。先程、フーリ様も言っていた一般常識……異世界の物の平均の物価や異世界言語、組織の概要まで幅広い知識がインプットされた。


 他にも天賦ユニークスキルについての知識もあった。まず異世界には天賦ユニークスキル技能スキルの二つがある。


 能力スキルとは取得の難易度に差異はあれど後天性で誰でも取得できる特殊な技能であり、効果が家庭的なものから戦闘用のものまで幅広く存在している。例に上げるとするなら、剣がうまく使えるようになる剣術スキルやアニメのような技まで打てる剣技スキルなどがあり、基本属性である火水風土の魔法が使えるものも能力スキルに分類される。


 天賦ユニークスキルとは先天性であり、尚且つその人だけの固有の技能スキルで、後天的に取得することが不可能になっている。天賦ユニークスキルは優秀な効果のものが多く、効果次第では平民から国家騎士などの高い地位に成り上がることも可能である。


そして、そんな俺に授けられた天賦ユニークスキルの知識やステータスの情報も流れ込んできたのだが……。


「【愉悦の料理】……?」



名前:オグラ アンコ

種族:人間

メイン職業:愉悦の使令〈愚者フール〉Lv1(変更不可)

サブ職業:なし

STR:127(S)

VIT:26(D)

STM:91(B+)

AGI:153(S+)

MP:100(A)

DEX:204(SS+)

LUC:0(E)

天賦ユニークスキル:【愉悦の料理Lv-】

能力スキル:【料理術Lv3】、【料理の業クックアーツLv1】、【料理魔法クッキングスペルLv1】、【キッチンLv1】、【追跡Lv3】、【隠密Lv4】、【言語理解Lv-】、【アイテムボックスLv-】、【鑑定Lv-】


「そう! ボク特製の天賦ユニークスキルなんだ! 『能力スキルの発動条件を一つなくし、自分だけの愉悦系統の能力スキルを覚えられる。ついでに料理特化のステータスにする』っていう効果なんだけど……どうだったかな?」

「最高です!」


 だってフーリ様が直々に作った俺専用スキルだぞ!? しかも自分だけの・・・・・『愉悦系統の能力スキル』を覚えられるをするようになるってことは、そのスキルも世界に一つしかないオンリーワンスキルになるんだぞ!


 ……あと【料理術Lv3】、【料理の業クックアーツLv1】、【料理魔法クッキングスペルLv1】の効果を考えると相当悪用できるスキルになりそうだ。


「よかったぁ、これで説明もしたし異世界に転生させられるね! ……あと君はボクの一瞥を受けて無事だったし、興味もあるから使令……ボクの眷属にしといたよ。——キミには期待しているからね」

「え!? 待って下さい! 俺に興味があるってどういう意味で——!」

「じゃあ、いってらっしゃーい!」


 俺の魂の問いも虚しく、途中で遮られて異世界に転生させられたのであった。

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