第3話 『街へ向かってください』

音声とともに、警戒で心地よい電子音のサウンドエフェクトが鳴る。

瞬間、景色が変わった。



…家だ。ここは家だ。森の中から家にの中に景色が変わった。

幻覚?夢?ちがう。また移動したのだ。森へ来たように。



まるで先ほどの自分の声に呼応するかのように、どこからともなく声が聞こえ、

気づけば家の中に移動していた。だが…。



俺の家じゃない…。

実家とはほど遠い、それどころか文化圏さえ違う家だった。



ざっと見るに内装は白い漆喰の壁、年季の入った木材の梁、石畳の床。

一階は台所と居間で、二階に寝室のシンプルな仕組みの家…。



外に出て家を見る。ヨーロッパにみられるような雰囲気の外見。

周囲は、倉庫らしき建物がひとつ。木々に囲まれつつも、芝のような短い草がしげる開けた庭。



まるで…西洋ファンタジーが舞台のゲームにみられるお手本のような家…。

わけがわからなかった。何が起こっているんだ…。森に家、知らない場所から知らない場所へ…。



足元に何かが落ちるのが見えた。

視線を向ける。紙だ。







『街へ向かってください』



文字が浮かび、指示がでる。

…俺はやっぱり幻覚の中にいるのだろうか。


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異界落ちした俺、悠々自適なのんびりイージー生活で余裕を持って暮らします たそがれキャンディー @tasogarecandy

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