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闇夜の女

闇夜の女

一宮 沙耶

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★12
4人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • TERU
    402件の
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    ★★★ Excellent!!!

    「返事のない夜が、人をどこまで追い詰めるのか」


    この物語は、最初から「救いのない夜」に読者を立たせる。

    雪と闇に包まれたプロローグは、逃げ場のない孤独と罪の重さを予感させ、
    第1話では一転して、恋人からの返信を待つだけの密室へと舞台が移る。

    けれど、どちらにも共通しているのは**「誰かに依存しなければ立っていられない心」**だ。

    返事のないLINE。
    光を失った部屋。
    スマホだけが唯一の繋がりであり、同時に孤独を突きつける存在になる。

    恋愛の苦しさとして読める一方で、
    その依存の行き着く先が、プロローグで語られた“闇夜の女”へと繋がっていることに気づいた瞬間、物語の温度が一段階下がる。

    これはただの恋愛小説ではない。
    孤独、執着、自己否定が積み重なった先に、人はどこまで壊れてしまうのか。

    静かで、冷たくて、目を逸らしたくなるほどリアルな闇を描いた一作。

    • 2025年12月16日 09:24