不思議な雨男2

アマリエ

第1話不思議な雨男2

 連日の猛暑続きが続き、米が不作になり品不足になっていた。スーパーや小売店では米が値上がりし、在庫も品切れになるなど各家庭の台所は困り果て、お母さんたちは悲鳴を上げていた。

 小学5年生のタカシは雨を降らせて涼しくなれば米不足も解消されると思い、再び、ゲーム機の傘のアイコンを押して、雨男を呼び出した。ゲーム機の画面が雨模様に変わり、雨男がいつのまにかタカシの目の前に立っていた。「久しぶりだね、ぼうや」「今日はどうしたのかな」と雨男は言った。「連日の猛暑続きで米不足になってるんだって」「雨を降らせて涼しくしてよ」とタカシは雨男に頼んだ。雨男は困り果てた顔をして、タカシにこう伝えた。「いいかい、ぼうや」「雨男は雨を降らせるときは徹底的に降らせないといけない」 「人間が欲するような適度な雨を降らせることはできないんだ」 「時には、この間のように災害が起きることだってあるんだよ」とタカシを諭した。タカシは少しガッカリした顔をしたが、雨男は続けて言った。「でも、ほんのにわか雨程度なら降らせてあげるよ」 雨男はいつのまにか消えていた。 

  翌朝、にわか雨が降り、昼過ぎには止んだ。そして、雨上がりの澄み切った空には綺麗な七色の虹がかかっていた。

 秋になり、新米が採れだすと、米不足も次第に解消されていったのだった。

おしまい

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