竹宮くん好きによる松永先生のための第二思春期レビュー
- ★★★ Excellent!!!
※このレビューに竹宮くんは一切登場しません。
連載完結、おめでとうございます!!
もう初回から最後までドキドキが止まらなかったです。
最初は大人のラブストーリーが始まるのかと思いきや、ページをめくるたびに爆発する第二思春期の熱量。
初恋拗らせ男子・松永弦一郎が何歳になってもピュア過ぎます!
「教師×シングルマザー」という背徳感溢れる構図の中で、静かで熱い火花がバチバチに合図を鳴らす。
際どいラインで恋愛の一線を踏み越えない緊張、ふたりの互いの視線の揺らぎ、危うい夢と現実の境界。
その全部がたまらなく激しく愛しくて、読んでいるこちらの息が苦しくなる。
理性と感情のギリギリを行き来する描写の連続で「どこまで私の限界を試すのか!?」と何度も悶えました!
松永先生、あなた本編では余裕たっぷりの頼れる大人の教師だったのに、恋愛モードに入った瞬間に理性が蒸発するのやめて!?
思春期リターンズの大型犬が一瞬で狼になる瞬間、こちらの理性も一緒に溶けます。
でもそこが、彼のいちばん愛しいところなんですよ。
抑えきれない想い、滲む誠実さ、そして危ういほどの一途さ。
この作品の『危険な温度』は、すべて彼の十数年越しの純情が火種になっています。
対する凛々子ママン、もうこの人は最高のヒロイン!!
優しくて、ちょっと抜けてて、でも母としての芯はしっかりしていて。
年上女性の包容力と、恋する女性の可愛さが同居してる。
しっかりしている中にときどき見せる隙とかお茶目さとかが反則級に愛おしくて、これは弦くんでなくても襲ってしまう。←
しかも似たもの母娘・奈々美っちとの関係がまたいい。
母として、女として、どの凛々子さんも真っ直ぐで、ちゃんと呼吸してる等身大の女性の姿が描かれます。
この関係の描かれ方がとにかく丁寧で、読むたびに胸があったかくなる。
シリーズを通して感じたのは『揺れる』というタイトルが本当に秀逸だということ。
人の心は揺れる。
恋も、倫理も、家族の絆も、全部が一瞬の風で揺らいでしまう。
でも、その『揺れ』の中にしか、本物の優しさも、強さも、生まれない。
シリーズ全体がそのテーマを一貫していて、どの作品にも人を想うことの尊さが息づいています。
遅すぎた拗らせ初恋も、大人の恋も、全部ひっくるめて愛せてしまう。
あなたも今夜も眠れなくなること間違いなしのスピンオフです。
紅夜チャンプルさま、最高のトキメキと潤いをありがとうございました!