「あまがみのみこと」「メライガの奇跡と運命の旅路」第三章:旅路の先に待つ試練

馬車は森の奥深くへと進んでいく道中「アレン」は馬車を降り「みこと」に歩いていくことを勧めた


「もうすぐ最初のダンジョンですダンジョンに入る前に旅の心構えについて……そして「みこと」殿の祈りの力について……もう少し知っておきたいのです……」


「アレン」は「みこと」と共に森の中を歩き始めた森の空気は


ひんやりと、していて木漏れ日が地面にまだらな模様を描いている鳥の


さえずりや川のせせらぎが二人の静かな足音に彩りを添えていた


「メライガのダンジョンは……ただの遺跡ではありません内部には恐ろしい魔物や様々な罠が仕掛けられています油断すれば命を落としかねない」


「アレン」は腰に差した剣に、そっと手を置いた


その表情は、道中での穏やかな笑顔ではなく厳しい剣士の顔だった


「「みこと」殿の祈りの力は確かに奇跡を起こすでしょう……しかし……その力はダンジョン内では私たちの命を守るための盾にも剣にも……なりません……あなたを守るために私が剣を振るう事も……あるでしょう……ですが最も大切なのは……あなた自身の安全を守るための冷静な判断力です……」


「アレン」の言葉に「みこと」の表情は引き締まる母を救うという決意に満ちていた彼女の心に旅の厳しさと


これから待ち受ける試練の重さが、のしかかった


「ダンジョンに入るということは……そういうことです決して一人で無謀な行動はしないでください……」


「アレン」は言葉を区切り改めて「みこと」の瞳を見つめ


「辺境伯様の家系は代々ダンジョンを護る者として神のお告げを受け継いできました辺境伯様自身も……その秘密を公にせず密かにダンジョンの調査を続けていたのです……」


「アレン」の言葉に「みこと」は驚きを隠せない「アレン」もまた


ただの護衛ではない特別な家系に生まれた人物なのか


「しかし私の家系は違います辺境伯様に仕える一族では……ありますが魔法の力は弱く特別な才能はありません……ただ辺境伯様が信じる道を共に歩む剣の使い手にすぎないのです……」


「アレン」は、どこか寂しそうな表情でそう語った彼の言葉から彼が抱える葛藤や辺境伯への深い忠誠心が垣間見える「みこと」は


そんな「アレン」の複雑な心情に寄り添うように、そっと彼の隣を歩いた

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