「あまがみのみこと」第二十五章:三つの魂の欠片と何処かにいる魂の欠片

神様は「あまがみ」「リーネ」そして「アッシュ」に


この大集結の真の目的を語り始めた神様の語る大集結の真実に「アッシュ」たちは、ただ耳を傾けていた


「お主らがこの場所に集いしは偶然ではない遥か昔に魔王が「銀髪の歌姫」を呪いし時わしは予言を授かった『いつか異なる世界から希望の光が集い魔王の呪いを打ち破る』とな」


神様は「アッシュ」の一族が代々受け継いできた魔王を討つための血そして「銀髪の歌姫」の魂が分かたれた癒しと予知の力を宿す「あまがみ」と「リーネ」の存在が、この予言の鍵であることを告げ


「お主らは……それぞれが欠けていたピースじゃ……しかし今……お主らの魂は互いに共鳴し一つの力と……なろうとしておる……」


すると「アッシュ」の前に現れた少女が静かに口を開いた


「「アッシュ」私達には今は分かっているだけで……まだ五つの魂の欠片が足りません……」


少女は悲しげに微笑む、その言葉は「アッシュ」の胸に突き刺さる


「足りない欠片?……」


「はい「銀髪の歌姫」の魂は「あまがみ」と「リーネ」そして私この三つだけではありません分かっている……だけであと五つ欠片が足りません……」


少女の言葉に神様が静かに頷いた


「その通りじゃ今は分かっている……だけでその五つこそが魔王の真の呪いを打ち破る鍵となる……しかし……その力は強大ゆえに制御を失い世界そのものを滅ぼしかねん……お主らの並行世界が一つ目その欠片は……それぞれの並行世界に存在しておる二つ目の世界には祈りの少女の魂と水の理を司る守護者と交わっておる三つ目の世界には過去に魔物に襲われ声と記憶を失った少女の魂と銀髪の歌姫の魂の欠片が交わり母の形見のオカリナに力を宿しておる……そして四つ目の世界には最後の欠片があるのじゃ……さらに五つ目の世界にも「銀髪の歌姫」の魂の欠片を持つ者がおる……その者こそがお主らの旅路を記録し物語を紡ぐ者……並木道の「みこと」じゃ何処かに「銀髪の歌姫」の魂の欠片を持つ者が……おるがお主しらの魂が共鳴し導かれるじゃろうて……」


「アッシュ」「あまがみ」「リーネ」は互いを見つめ合った彼らが集結したのは新たな希望のためだけではなく


まだ見ぬ五人の姉妹と他の何処かにいる姉妹を救うためでもあった


そして、その姉妹は最も危険な存在であるかもしれない


「私たちが行きます」


「あまがみ」は迷いなく答えた


「俺たちの使命は全ての魂を救う事だ……たとえ……それが……どんなに危険でも」


「アッシュ」の決意に「あまがみ」と「リーネ」も静かに頷いた彼らは何処かにいる魂の欠片と五つの欠片を探すため再び旅立つことを誓うのだった


神様が指を鳴らすと彼らの足元の紋様が再び光を放ち始める


その光は「アッシュ」の剣「あまがみの」歌声そして「リーネ」の新たな能力と、そして妹の姿をした少女の導きに共鳴し彼らの身体に不思議な力を満たしていく、それは


ただの力ではなく互いの思いや記憶を共有するような温かい感覚だった


「さあ時は来たお主らの使命は「銀髪の歌姫」の何処かにいる魂の欠片と五つのピースとを探し出し真の力を解放すること……そして魔王の待つ最後の世界へと向かうのじゃ……」


彼らは自分たちの運命が遥か昔から定められていた事を知った


その使命の重さに彼らは静かに頷いた

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