悪夢日記。-あくゆめにっき
らいむるしろっぷ
おとしもの
ある細い道路の真ん中に、小さな黒いノートが落ちていた。
名前は書かれておらず、ところどころが茶色く汚れていた。しかし、中のページは真っ白で、どこをめくっても、白紙のままだった。
「ん? なんだろう」
一人の少女が、道路にぽつんと置かれていた真っ黒なノートを拾い上げた。
その少女は、ノートの表紙についていた土のような汚れをハンカチで拭き取った。
「落とし物かな?」
汚れが目立たなくなったノートを開く。何も書かれていない、真っ白なページが彼女の瞳に映る。
「まだ使われてないんだ」
少女は、ペラペラと次のページにめくっていく。しかし、すべてのページを見ても、ほんの小さい文字でも見当たらず、ただただ白い紙が出現するばかりだった。
「……交番に届けるっていっても、近くにないし」
「もう、取っておこうかな」
彼女が持っているそのノートの、次の使用者は、少女──
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます