第8話
は「おはよう。」
椿「おはよ。」
文化祭2日目、朝登校してから端の方の適当な席に座っていると椿が教室に入って来て挨拶をした。
は「あ、ねえ!」
そのまま通り過ぎそうだったところを声かけて止めた。
椿「何?」
近くに腰掛けてくれたので手招きして小声で話す。
は「今日、煇と2人で回る約束した。昨日、背中押してくれてありがとう。」
そう言うと、ちょっと嬉しそうに笑った。
椿「そう、良かったね。喜んでたでしょ?」
は「...うん。あははは」
思い出したら自分も嬉しくなり、つい笑ってしまった。
椿もニコッと満足そうに笑ってくれた、確かにイケメンだとその時にようやく思った。
土屋は今日クラスの人と回ると言っていたし、椿は家族が来るとか、咲ちゃんと回るとかって聞いた。
...拓也は、まあ良いか。
は「今日、朝遅かったね。」
昨日は椿と咲ちゃんが2人が一緒にいたしいつもそうだと言っていたので気になった。
椿「え、あー、うん。先輩と練習したのと...うん。」
は「...?」
椿「ちょっと後輩と話して来た。」
は「へぇ〜。」
椿「...はぁ。色々面倒なこともあるよな。」
は「何?何かあったの?」
椿「...君は今浮かれてるからそっとしておくよ。」
は「何それ。」
「おはようございまーす!」
まだ朝だと言うのにため息なんかついていて、話を聞こうとしたら先生が来たので今度でいいかと改まる。
朝礼をして、軽く準備をして、2日目がスタート。
今日はギャルズの3人とジュース係をした。
正直4人もいらない係だったので私と咲ちゃんの2人はほぼ何もしていなかった。
他の2人はあんまり話したことが無かったけど
すんごいよく喋る子達で面白くてゲラゲラ笑って一緒にふざけていたら何だか仲良くなれてものすごい楽しかった。
しばらく楽しんでゲラゲラ笑っていたら、お客さんが来た。
「「あはははははは」」
椿「はるな。」
前で会計をしている椿に呼ばれてそちらを見ると、煇がいた。
煇「よ!」
は「あ、いらっしゃい!あれ?仕事は?」
何も考えずに近くに寄った。
煇「俺昨日、やりすぎてゲーム強くなりすぎたからもうやるなって言われた。」
は「あははは、そんなことあるんだ!自由時間?」
煇「そう!ラッキー!」
「いや、一応宣伝してくる係な!」
私は知らない男2人と一緒に来ていたようでツッコまれていた。
煇「一個持って来たからやろうよ〜って言おうと思ったけど忙しい?」
椿「ずりー。俺もやりたい。」
煇「あはは、椿も誘ってるって。」
椿「やった。」
は「えー、あんた昨日も大して働いてないじゃん。」
咲「私代わろうか?」
咲ちゃんが後ろから声をかけてくれた。
は「えー、でも1人になっちゃうから私も咲ちゃんと一緒にやるよ。」
煇「そう?こいつはいいの?」
椿「うっ。」
咲「え、いいよ。朝から1人でずっとやってくれてたし。遊んできな?」
椿「あざっす!」
は「まあいいでしょう。今日は私もギャルの仲間入り記念日だから。...え?仲間では無い?」
咲「あははは、もう仲間だよね〜。じゃあ一緒にやろうか。いらっしゃいませ!」
お客さんからオーダーを受けて裏に伝えて、お金の受け渡しをした。
は「師匠、あのね、」
咲「師匠???」
は「いや、咲ちゃん可愛いから師匠と呼ばせて。」
咲「え、何それ!あはは、照れちゃう。」
は「ほら、可愛い。あのね、昨日2人で回ろうって誘えたの。話聞いてくれてありがとう。」
咲「あ、そうだったんだね!良かったね。...しかも今日会いに来てくれたし。ふふふ」
煇の方を見てそう言われた。
は「いや、あれは多分椿と遊びに来ただけ。」
咲「そんなの口実だよ〜。」
は「あ、いらっしゃいませ〜。」
話しながら仕事をするのは楽しかった。
煇達は何やらすごく盛り上がっていてうるさかった。
少しすると椿が声をかけて来た。
椿「咲ー!煇が雑魚すぎて相手にならないから代わって。」
煇「逆だわ!ぶっちぎりで勝ちすぎてお前らの相手には程遠かったな。」
椿「うるせーなー。」
煇「あははは、咲ちゃん代わる?」
煇がこちらに歩いて来て咲ちゃんに聞いて来た。
咲「えー、みんな私の相手になるかな〜?強いよ?」
「あははは、いいね、やろやろ!」
咲ちゃんはそう言って私の背中をポンと叩いてそちらへ行ってしまった。
お客さんが来たので一旦対応すると煇が近くまで来た。
煇「手伝いましょうか?」
は「クラス違うけど!」
煇「あはは、まあいいじゃん!」
なんだかんだで本当に手伝ってくれて笑った。
煇「今日さー、考えてたんだけど、回らないでもそれぞれ好きなもの買って来て使ってない教室とかでご飯食べるとかでもいいかなって。」
は「それいいかも!」
そこまで考えてくれていたのかと嬉しくなる。
反応すると煇はホッとしたようにニコッとした。
煇「じゃあ、そうしよ。でも行きたいところあれば一緒に行こ。」
は「あ、椿のバンドは見に行こうよ。」
煇「あ、そこなら平気?なら俺も行きたい。」
は「うん!なんか2人でできるゲームあったら借りて来てよ〜、私もやりたかった。」
煇「あ、ごめんごめん!探してくる。」
「あれ?あ!煇!サボってんの?!」
教室の外から女の子2人組に声をかけられていた。
煇「え?いやいや、見ての通り働いてるって。」
「違うクラスじゃんよ!」
煇「あはは!待って、でもあいつらはもっと遊んでるから!...あれ?」
先ほどまで一緒にいた煇の友達はいつの間にかいなくなっていて、それに気がついた煇を見て咲ちゃんと椿が笑っていた。
椿「なんか2人とも走ってどっか行ったよ。」
は「あははははは!置いてかれたんじゃないの?あはは」
煇「マジかよー。」
「ほら、じゃあ帰るよ!」
そう言われて女子に腕を引っ張られて渋々ついて行ってた。
煇「じゃあね、そんな感じで〜。」
は「はーい、この上とかで適当に。」
煇「分かった。」
どっか行って来ていいと言われたのは嘘だったのか何なのか。
笑って見送りました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます