対極の二人が互いを照らし合う、心揺さぶる青春の抒情譚……。

これは、大学生の男女――偶然のようで運命めいた出会いを果たした、全く異なる世界を生きてきた二人が紡ぐ物語・・・。

主人公の夕月さんは、一見すればどこにでもいる、真面目に日々を歩んできた女子学生。
そんな彼女の前に現れたのは、荒れた家庭で育ち、喧嘩と女に囲まれながら、息をすることもままらなない状況下で生きてきた翔吾だった――。


対極の環境で育った二人が互いを尊重し、受け入れ、支え合いながら過ごす日々は、時に胸を締めつけ、時にじんわりと心を温めてくれます。
読み進めるうちに、まるで彼らと一緒に泣いたり笑ったりしているような、そんな没入感を味わっていることに気づきました。

それは作者さまの紡ぐ、文学的でありながらも読みやすく、そして美しい文体にあると考えます。
さらに、等身大で自然なセリフの数々が、胸を熱くしてくれました。
性別を問わず、多くの人におすすめできる作品です!

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