第26話 ふゆこの選択
四人は騒がしい中央講堂を後にし、みぞれの提案で、彼らは世界樹の下層にある、発光苔の生い茂る人里離れた一角で、このチームの最初の「正式な」作戦会議を開いた。
しかし、会議が始まるや否や、雰囲気はどこか重苦しいものになった。
ふゆこは相変わらず、崇拝に満ちた眼差しでクスマを見つめ、完全に彼をチームの中心と見なしていた。クレイは腕を組み、木の根にもたれかかり、不機嫌そうな顔でクスマを見ていた。その表情はまるで、「お前がどんな手柄を立てられるか、見ものだな」とでも言っているかのようだった。一方、クスマ本人は、まだ「強制的に縛り付けられた」という絶望に浸っており、頭の中は混乱していた。
最終的に、やはり、みぞれが一つ、静かに咳払いをし、真っ先に沈黙を破った。
「さて……」みぞれは優しく言った。「最初の任務についてですが、私たちがまず決めなければならないのは、目標とする導師です」
彼女の視線が、クスマの上に落ちた。
「クスマ、あのトントン導師の謎について、何か心当たりはありますか?それとも……」
彼女は少し間を置いて、より慎重な口調で付け加えた。
「……先に、他のもっと『普通』の導師に会ってみて、自分たちのために逃げ道を残しておくべきでしょうか?」
─ (•ө•) ─
みぞれの視線は、クスマの上に落ち、彼の返事を待っていた。
しかし、クスマが口を開く前に、クレイが、クスマの物思いに耽る、いや、むしろどこか「やってみたくてうずうずしている」かのような表情から、一抹の不吉な予感を読み取った。
「反対だ」
クレイだった。
彼の眼差しは異常なほど真剣で、いつもの傲慢さやひねくれた様子は全くなかった。彼はクスマを見ていたが、その言葉は、はっきりと、そして有無を言わさず、みぞれに向けられていた。
「トントンとかいう導師」クレイの声は大きくなかったが、周りの空気がまるで数度重くなったかのようだった。「見た目からして危険だ。俺たちの未来を、『爆発狂魔』なんかに賭けるのは、賢明な選択とは思えない」
彼は少し間を置き、その口調は一層固くなった。
「俺たちの目標は、最も背景が強固で、最も資源が豊富で、最も普通に見える戦闘系の導師を探し出すことだ。そうして初めて、確保できる……」
彼はみぞれを見つめた。その、いつも炎のように燃えている瞳に、初めて、見間違えようのない、ほとんど懇願に近い切実さが浮かんだ。
「……俺たちのチームが、最良の発展を遂げることを」
クレイが口にしたのは「チーム」だったが、彼がみぞれに最高の配慮をしたいというその気持ちは、誰の目にも明らかだった。
─ (•ө•) ─
クレイの提案は、意外にも、すぐにクスマの反対には遭わなかった。
実際のところ、クスマは、あの恐ろしい爆発狂魔に会わなくて済むと聞いて、内心、密かに安堵のため息をついていた。
かくして、チームは珍しく、「まず普通の導師を探す」という共通認識に達し、彼らは講堂の中で、最も普通に見える導師たちに接触を試み始めた。
しかし、現実は彼らが想像したよりも遥かに過酷だった。
背景が強固で、見た目は人の良さそうな導師たちの周りには、とっくに、同じく家柄が良く、実力も高いエリート新入生たちが群がっていた。
彼らはまるで目に見えない壁のように、クスマたちのような「普通の人々」を、別の世界へと隔絶していた。
クスマたちが前に出ようとすると、エリート新入生たちに軽蔑の眼差しで阻まれた。中でも特に人の良さそうな一人の導師が、クスマの正体を知ると、穏やかだが有無を言わせぬ、周囲の誰もが聞き取れる声で、クスマにこう言った。
「おお……君が、あの『特殊な匂い』で合格したもやしか……実に独創的だが、私のチームは、君のような……『自然の香り』に満ちた戦闘スタイルには、あまり合わないかもしれないな。君は、君の『才能』をもっと評価してくれる導師を探すべきだろう」
何度も壁にぶつかった後、四人は再び、あの人里離れた一角へと戻ってきた。
誰も、何も言わなかった。
空気中には、クレイの、怒りのためにやや荒くなった呼吸音だけが残っていた。彼は背後の木の根を拳を叩きつけ、「ドン」という鈍い音を立てた。
「……ちくしょう!」
クスマは一言も発さず隅に座り、頭を垂れ、指で無意識に地面に円を描いていた……。
いつもは最も冷静なみぞれでさえ、今はただ静かに木の根にもたれかかり、その、いつもは知性の光を放つ澄んだ瞳に、初めて、「どうしようもない」という名の茫然自失が浮かんでいた。
その絶望的な沈黙が、このチームを完全に飲み込もうとした、まさにその時、蚊の鳴くようなか細い声が、突然響いた。
「私、思うんですけど……」
ふゆこだった。
彼女はいつものように、まずクスマの方を見ることなく、地面を見つめ、自分にしか聞こえないほどの音量で、本当の気持ちを口にした。
「……あのトントン導師、そんなに悪い人じゃないような……」
その言葉は、まるで静かな水面に投じられた小石のように、他の三人に、無意識に、彼女へと視線を向けさせた。
ふゆこは仲間たちの視線を感じ、小さな体が無意識に震えたが、それでも彼女は勇気を振り絞り、顔を上げた。その澄んだ瞳には、もはや師匠への盲目的な信頼だけでなく、彼女自身の、優しい共感が宿っていた。
「あの方、見た感じ……」
ふゆこは、必死に、適切な言葉を探した。
「……なんだか、少し、寂しそうだったような……」
その言葉は、一筋の微かな光のように、三人の仲間たちの沮喪した心へと差し込んだ。彼らは誰も、ふゆこの口から、このような、感性と直感に満ちた、全く新しい視点を聞くことになるとは、夢にも思わなかった。
かくして、進むべき道を見失っていた状況の中、この最も純粋な一言によって、彼らの、最初にして、そして最も重要なチームとしての決断が、下されたのだった。
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