第2話 贅沢者
「すごく広い...こんな場所はじめてです!!」
喜んでくれて何よりだ。
今日は一ノ瀬さんと二人でショッピングモールに来た。
理由は、布団を買うためだ。こんな美少女と同じ布団で寝るのは無理だ...
一ノ瀬さんは一人でベッドを使うのをためらうのでしょうがなく一緒のベッド
眠ることになった。結果、昨夜は一睡もできなかった。一ノ瀬さんが寝てからは
雪の処理で体力を消費したのに寝れないのはダブルできつい。
さすがに今日はぐっすりと眠りたい…
そんなことを考えて歩いていると一ノ瀬さんが突然立ち止まる。
彼女が目を光らせる先にはフードコートがあった。
「ぐぅぅぅ」
一ノ瀬さんのお腹が鳴った。12時を過ぎていたのでお腹を空かせるのは当然だ。
「先に食事にしようか」
恥ずかしそうにうなずく。彼女は初めてのフードコートに興味津々、小さな子供を連れてるみたいだなと思っていると、すぐに一つのお店の前に走っていったので後をつけていくとハンバーガー店についた。今にも口からよだれが出そうな顔押している。
彼女はメニューを見るや否や指をさす。照り焼きハンバーガーをご所望みたいだ。
テーブルで待ってもらい、会計を済ませ商品を受け取りテーブルまでもっていくと
彼女はもう待ちきれそうになかったのでさっそくハンバーガーを渡した。
すごい食べっぷりだ。
一ノ瀬さんの食べてるところはどこか妹に似ていた。
食事が終わりさっそく布団を買った。これで今日は快適な睡眠ができそうだ...
続いて俺たちは一ノ瀬さんの生活用品を買いに向かった。一ノ瀬さんは遠慮して申し訳なさそうにしているが、俺が一ノ瀬さんのために何か買ってあげたいんだ。
最初に入店したのは洋服店。
「自分の好きな服を選んでいいよ」
そう言うと一ノ瀬さんは歩き出し、清楚な花柄の白いワンピースの前に止まった。
素人目の俺がいうのも難だが絶対に似合うと思う、仮に一ノ瀬さんがダサいジャージを着たとしても似合ってしまうだろう。彼女はそのくらい完璧なプロポーションをしているのだから。
「これ、似合いますかね?」
いや、だから絶対似合うって!!俺は心の中で嘆くが本人が不安なら試着をしてみて決めたほうがいい。なにより一ノ瀬さん自身の好きなものを買ってもらいたい。
「じゃあ試着してきますね」
と言いそのまま試着室に入り、着替え始める一ノ瀬さん。カーテン越しに服を脱ぐ音が聞こえる…さすがに思春期の男子には刺激強めだ。
いろいろと妄想を膨らませているうちにカーテンが開いた。可愛すぎる...
俺は何も言葉にできないほど見とれてしまっていた。服が変わるだけでこうも印象が違うとは思いもしなかった。
「似合い、ませんかね…」
一ノ瀬さんは不安そうな顔でこっちを見る。あっ、俺は何てやつなんだ。絶世の美女の試着を見たというのに何の感想も言っていない、ただ、正確には見とれすぎて言えなかったが正しい。
「めっちゃ似合ってる!!最初モデルさんかと思ったぐらいだよ」
一ノ瀬さんは赤面し顔を隠す。あざとすぎるだろ、、今日俺の心臓は家まで持つのだろうか…
その後も一ノ瀬さんの可愛さに圧倒され試着した服すべてを買ってあげてしまった。
やばい、財布大丈夫かな…
その後はざっと必要な分の生活用品を買い帰宅した。
さすがに今日はお金を使いすぎた。昨日の大量の出前に布団の購入、途中で買った
一ノ瀬さんの生活用品や服。このままでは両親からの仕送りだけでは生活が厳しくなりそうだ。
自炊、か…
最初は俺一人だったため三食コンビニ弁当で済ませ得ようと思っていたが、一ノ瀬さん
には健康な生活を送ってほしい。ましてやコンビニ弁当二人分は一食で相当な金額になってしまう。
家に帰ってからさっそく引っ越し当日母に強引に持たされた使わないと思っていた料理本を手に取った。
まさかこんな形で必要になるとは思ってもみなかったが致し方ない。まずは簡単そうな
オムレツから試しに作ってみようと思う。だが、できたのはスクランブルエッグ。
料理がこんなにも難しいとは思いもしなかった。
時間が経ち料理を始めてから一時間が経とうとしていたとき、一ノ瀬さんが話しかけてきた。
「泊まらせてもらっている身なので食事は私が作りますよ」
「りくさんはソファーにでも座って待っていてください」
俺の料理の下手さにしびれを切らしたようだ。にしても自分の家で美少女が料理をしている姿は男として心にくるものがある。
「りくさん、夕食が冷めてしまいますよ」
いつのまにか寝てしまっていたみたいだ。一ノ瀬さんに起こされ目を覚ますと、テーブルに
はすでに料理が並べられていた。そのどれもがとてもおいしそうで食慾がそそられる。
「ぐぅぅぅ」
「ふふっ昼間の私と同じですね」
とても恥ずかしかったが、一ノ瀬さんの笑顔はとてもかわいかった。
「いただきます」
「どうぞ召し上がってください」
さっそくだし巻き卵を口に入れる。
「美味いっ」
すべての料理がとてもおいしく、食卓に温かさを感じる。
「ありがとうございます…」
一ノ瀬さんは頬を赤らめている。おそらくここまでストレートに言われると思っていなかったのだろう。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様です」
料理は最高に美味いし美少女と一緒に食卓を囲める。俺はほんとに贅沢者すぎる気がする。
同居人の美少女は雪女の子供です いちのっせ @ichinosefururu
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