第40話

 その瞬間!

 青みを帯びた光がおれをすっぽりと包み込んだ。

「ええっ……」

 光が通り過ぎると藍色の柔らかな闇が現れた。

 まるで夜空みたいだ……

 チカチカと星屑のような光が無数に散らばり、ゆらめいている。

 死ぬときってこんなのが見えるのか?

 この前とちがうなあ。

 お花畑じゃないんだな。

 ばあちゃんにも教えてやらなきゃ。

 って、おれの方が先に死んだら、教えられないか……。

 おれが驚いていると、体はどんどん闇の中の温かな流れに包まれて流れていき……。

 泳ぐように向きを変えると、見上げるほど巨大な魔法陣がまるでドアのように垂直に立ち、光り輝いている。

「えっ、これ……」

 見覚えがある勢いのある梵字。

「未了の……梵字だ。じゃあこれって、未了の魔法陣??」

 片手が魔法陣に触れると、パアッと光があふれ出した。

 いくつもの光の矢が藍色の夜を切り裂き、少しずつ世界を変えていく。

 グルリ。視界が回転を始める。

 な、なんだ?

 おれは……一体どこへ……!?

 ズルズルズルーッドサッ!

 体が、高いところから低いところへずり落ちる感覚があり。

 目を開けると、クレーン車の機体がそびえていた。

 周りにはたくさんのがれき。

 どう見ても、落ちる前にいた旧市役所の最上階だ。

「戻った……?」

 ジャリっとがれきを誰かが踏む音がした。

 身構えて振り返ると、そこには紺色の着物をまとった誰かの後ろ姿。

 頭が真っ白くてつるっとしてる……骸骨の姿。

「未了???」

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