ダンジョン配信〜たまたま助けた人の配信に写ってバズってしまう。え?ここ危険度10?そんな訳ありませんよ〜
@keitanosoke
第1話 助けた人はまさかの?
真夏の太陽は俺の肌を焼く勢いでギラギラと輝いている。
「暑い....なんで、こんなに暑いのかね。そもそもこんな日に学校に行く理由が分からない。」
太陽に悪態をついている俺は柊蓮也、どこにでもいる普通の高校生。ちょっと普通じゃないことはいくつかあるが、至って普通だ。
「よぉ!蓮也今日も死んだような魚の目してるな!元気出せよ!俺は朝の目玉焼きが双子だったから滅茶苦茶元気だぜ」
この暑いのに余計に熱い奴が来た。こいつは幼なじみの1人の田中シュラウド太一父親が、アメリカ人で母親が日本人のハーフだ。イケメンで高身長で、スポーツも出来るしかも髪は日本人特有の黒ではなく金髪だ。決して羨ましいといった感情はないが、禿げてしまえばいいのにと思ったことは何度かある。決して羨ましいとは思ってないがな。
「なんだよ、太一朝から暑苦しい」
「全く、こんなに天気のいい日なんだぜ!テンション上げていこうぜ」
「(無理だろこんな暑いのに)それよりも、お前昨日の課題やったのか?」
「課題?あっ....忘れてた。蓮也課題写させてくれ!」
そうこいつはこんなにスペックが高いのにも関わらずバ....頭が悪いのだ!フハハざまーみろ
「お前な、たまには自分でやれよな」
そんな会話をしながらクソ暑い通学路を歩いて学校に着き、クソ退屈な授業を受けるのが日々のルーティン
「そう言えばお前の婚約者のレイナ凄かったな!危険度5のダンジョンソロで攻略したらしいじゃないか」
「婚約者ってそんな中じゃないよ、そもそもレイナは俺の事嫌ってるだろうし。それに親が勝手に決めたことだし」
俺の親は至って普通だ、父親は年収はそこそこいいサラリーマンだし、母は専業主婦。一方レイナの父親は日本で唯一の大財閥の人だし、母親は元社長令嬢。
それなのになぜ婚約者かと言うと、俺の父親とレイナの父親は幼なじみで、母親同士は高校が女子校(ちなみになぜ俺の母が女子校に通ってたかと言うと、ばぁちゃんが共学を認めなかったからと言っていた)で仲良くなり卒業後も連絡とったりしてたらしい。そんな親同士だから子供が産まれたら婚約者にしましょうなんて、酒の席で酔った勢いで言ったらしい。
小さい頃は確かに仲良かったけど、今ではレイナは俺を見ると蔑んだ目で見てくるし、声をかけても無視するつまり嫌われているのさ。理由は分かっているレイナは俺と一緒に探索者の学園に通いたかったけど、俺は普通の学校に通いたかったからレイナの提案を無視して今の高校に入学したのが理由だ。多分、きっとそうだ。
「なぁ、聞いてる?それに東堂凄いなチャンネル登録者が100万人だぜ、人気があって実力もあるっていいよな。俺もそんな彼女欲しい」
「だから、レイナとは彼女じゃないし、それに俺レイナに嫌われてるし」
「なんでだよ、お前と東堂仲良かったじゃん。長年一緒にいたい夫婦のようだって中学の時のクラスメイトが言ってたぜ。あっ!そうだった蓮也さ探索者の資格もってたよな?一緒にダンジョン潜ろうぜ」
「嫌だよ面倒臭い。それに潜るなら1人で潜るし、それにレイナと探索者育成の学園に通わずレイナに黙って探索者になってる事がバレたら何言われるか考えるだけでも恐ろしい」
「ほんと蓮也って昔からレイナに頭が上がらないよなクラスの連中には冷たいのにな」
そんな会話をして放課後になりまたクソ暑い通学路を歩いて家に帰る。太一は俺とダンジョンに潜らなかったら、部活に出ることが多い。俺?もちろん帰宅部さ。
「帰って着替えたらいつものダンジョンに向かうか、そろそろ小遣い無くなってきたしそれに欲しい漫画が沢山あるし母さんの誕生日も近いし」
家に帰り一旦お風呂に入り着替えていつものダンジョンに潜る。このダンジョンは家からさほど離れておらず自転車行けば5分で着くのでとてもいい場所だ。基本面倒くさがりな俺にとっては砂漠にあるオアシスのような場所だ。
ダンジョンには危険度が存在する。1〜10まであり数字が高いほど危険な場所だ。それに伴い探索者にもランクがある。探索者のランクはS、A、B、C、Dランクの5つがある。どのランクでも全てのダンジョンに入ることは可能だが、ダンジョンに入ればそこで起きたことは全て自己責任になってしまうので、探索者は慎重になる。
「ほんと、家の近くにダンジョンランクが低い所があって助かった、なかったら学校の近くまで行かないと行けないからな、面倒臭いのだ」
俺は誰もいない所で独り言を喋ってしまい恥ずかしくなったので、さっさとダンジョンに入ることにした。
「とりあえず40層まで降りてきたけど、これじゃあまだまだ目標の金額に届かないな。確か母さん最新の掃除機が欲しいって言ってたし、いくらしたかなその掃除機」
俺は考え事をしながら、死角から襲ってきた魔物を一瞬で倒し魔石を回収する。
「とりあえず今日は50層まで降りてみて、いいのがなかったら今日手に入れた魔石と素材を売りに行くか、売買所が遠いんだよな、ここから自転車で5分も離れているなんて遠すぎだ。でもマジックバッグのおかげで楽なんだけども」
ちょうど50層に到着したと同時に悲鳴が聞こえてしまい、俺は走り出していた。
「あーあなんで面倒くさがりなくせに、人助けなんてするのかね俺は」
悲鳴が聞こえた場所に到着して影からこっそり見ていると8人パーティがいた。
「これはどこからどう見ても困ってるよね?相手はボーンドラゴンか、あいつ倒してもろくな素材落とさないから嫌いなんだよな、しかも硬いしな。けど目の前で死ぬのは目覚めが悪いな」
意を決して助けるために飛び出し、ボーンドラゴンを粉微塵にして、唯一意識のあった人に声をかけた。
「お怪我はありませんか?」
「・・・・」
「あの?大丈夫ですか?」
「・・蓮也?」
「はい?そうですけど...え?レイナ?」
「貴方なんで、私との探索者専門の学園には行かなかったくせに、何ちゃっかり探索者の資格はとってるの?」
「いや、落ち着いてレイナ、俺は学園に通いたくなかった訳であって探索者になりたくないとは言ってない」
「蓮也っていつも口を開けば言い訳ばかり、私日は蓮也と通いたかったって言ってるの!それなのに一般高に通って馬鹿じゃないの?」
「いくらお前でも言っていいことと悪いことがあるぞ!」
「もう、話は後で聞くとして、貴方1人なの?」
「うん?そうだが?何か問題か?」
「え?本当に1人なの?太一が一緒に居るとかじゃなくて?蓮也1人?」
「太一は部活だぞ?俺は基本的に1人で潜ってるからな、それにこのダンジョンは家からも近いから俺のお気に入りだ」
「蓮也って頭いいはずなのにたまに馬鹿だよね」
「悪口か?傷つくぞ」
「このダンジョンの危険度知ってるの?」
「流石に知ってるぞ、危険度3か4だろ?」
「バカ!このダンジョンは危険度8はあるのよ!」
「・・・え?」
俺は忘れてたレイナは人気のダンジョン配信者であり、ダンジョンに潜る際は必ず配信をしていることに、そして今も俺たちの会話は視聴者に聞かれていることを。
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不定期で更新していきます。
気長に待っていてください。
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