第19話 絶対優勝!!
なんとか午前中は全勝することができた
「
「やめとくよ、バイトとかもあるし」
「水瀬さんみたいなかっこいい人がいれば部活の雰囲気よくなると思ったのにな~」
「私は陽菜ちゃん一筋だから...」
チームのみんなと目が合った瞬間、口に出してしまったことに気付いた
「これはその...ち、違うくて...」
「「「やっぱりそうだったんだ~!」」」
デートとか行ったの?とか告白したの?だとか矢継ぎ早に質問される
「みんな、水瀬さん困ってるでしょ、お弁当食べたら練習するよ」
「「「は~い」」」
「ありがとう大久保さん」
耳打ちでこっそりお礼を言っておく
「水瀬さん、顔近い」
よく見ると大久保さんの耳がほんのりと赤く染まっていた
「怜~弁当一緒に食べ」
陽菜ちゃんの声がしたので振り向くと口をパクパクとさせ、ぷるぷると震えていた
「やっぱいいや!邪魔してごめんね~」
走ってどっかにいってしまった、やっぱり元気だな~
「絶対誤解されたって」
「まっさか~普通に話してるだ...け...」
大久保さんの顔近いな...
「やらかした~!」
「気を付けなよ水瀬さん、私じゃなきゃ絶対勘違いしてたからね」
「わかった!気を付けるね~」
午後からの決勝戦トーナメントが始まる
トーナメントの反対側に強い先輩が固まったらしく準決勝まで私のサーブとバレー部員のスパイクでストレート勝ちすることができた
決勝戦は1セット25点先取の2セット先取で、対戦相手はバレー部のキャプテンがいる、あの人のことをどこかでみたことある気がするけど思い出せない、全校集会の表彰とかだったかな?
観客をぐるっと見渡したけど陽菜ちゃんの姿はなかった、サッカー部も決勝戦トーナメント残ってるらしいしそっちに行っているのかもしれない...
「水瀬さん緊張してるの?決勝も同じようにプレーすれば大丈夫だよ!」
大久保さんが私の雰囲気が違うことに気付いて元気づけてくれる
「ありがとう大久保さん、頑張るね」
今回は相手のサーブからスタートだ
「サーブいきます!」
足を肩幅に開き、腰をおとして身構える
今日対戦したどのチームのボールの軌道とも違う...こんなのとれない...
ピー
笛の音がなり、得点板がめくられる
「サーブは私がとるからみんなは返すこと意識して」
大久保さんがチームメイトに呼びかける
「サーブいきます!」
ドン
大久保さんがなんとか拾ってくれたみたいだ、私はトスでつなげるがスパイクはブロックされてしまった
1点、また1点ととられていき、あっという間に1セットとられてしまった
「このままだと陽菜ちゃん、サッカー部の男子の方行っちゃう...」
「そんなことないよ、白石さんはちゃんと戻ってくるよ」
私が泣き出しそうになっていると大久保さんが慰めてくれる
「みんな集合!まずは1点とるぞー!!」
「「「おー!!」」」
2セット目は私のサーブから始まる
目を閉じて深呼吸する
「怜~頑張れ~」
目を開き声の聞こえた方を見ると陽菜ちゃんとサッカー部の男子がいた
私の中のなにかが切れた、《《陽菜ちゃんを絶対惚れさせる!!》
「サーブいきます!!」
ボールを上に投げ、これまでしたどのサーブよりも高い位置でボールを打つ
ピー
笛の音がなる、先輩は一歩も動けなかった
「「「「おおおーー!!」」」」
体育館に歓声が響く
このまま1セットとる!
「サーブいきます!!」
さっきと同じように全力のサーブを打ち込む
ドン
さっきの先輩は動けなかったんじゃない動かなかったんだ、今回はサーブを拾われスパイクを打ち込まれる
「「「「ありがとうございました!!」」」」
結局2セットとられてストレート負けだった、私たちのチームがとれたのはあの一点だけだ
終わってすぐに陽菜ちゃんのところへ走っていく
「怜かっこよかったよ!」
ぴょんぴょんしながら言ってくる
「水瀬さんには勝てないよ、一緒にいてもずっと『怜が~』ってずっと水瀬さんの話してくるんだもん」
サッカー部の男子が苦笑しながら言ってくる
私が心配しすぎてたみたいだ、陽菜ちゃんの心は遠くになんて行ってなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます