許氏の塢
熊谷 柿
序章
燎原の火の如き乱の中で
月は出ていなかった。
夏草や
寝込みを
赤と黒に彩られた
黄巾賊の陣に夜襲を仕掛けたのは、官軍ではなかった。その風体から、
聡明そうな若将の瞳に、
「――――⁉」
逃げ惑う黄巾の兵を追い討つように、
中央を駈ける者は、広い額に冴えた
若将は、炎に照らされた三騎に思わず目を奪われた。
「まるで、
英雄たらんとする若将は、息の合った三騎の背に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます