第2話 告白



「なに? 用って?」


お昼休み隣のクラスの高橋に用事があるからって放課後体育館裏に呼び出された ちょっと薄暗くて人目につきにくい場所


「なに? ここじゃダメなの?」って教室じゃ聞いたけど理由はなんとなくわかる

今までも何度か呼び出されたことあるんだよな


周りをキョロキョロ見回しながら落ち着きなく高橋がわたしに話しかけてきた


「あのさネオン オレとつきあわん?」


ほら、やっぱり…


高橋 映司 サッカー部でも目立っててそこそこ女子にも人気がある

そこんとこ意識してんのか変に媚び売る態度が鼻につくんよね


「どうして?」


わたしは例のごとく答える


「え?どうしてって…そりゃ つまり…」


ここでだいたい口ごもるんよな みんなワンパターン

そんな驚いた表情してるとか

自分の予想してない返事に戸惑ってんのバレバレ

俺が誘えば女子は誰でもイチコロとか思ってんのかな


「はっきり言えんの? 帰るよ」


「おいまてよ! 気になるからに決まってんだろ なんだよその態度とか?!」


「気になる?! なにそれ?! なんで?」


「はぁ? こっちこそなんでだよ?!? 気になるって言ってんだから気になるんだろが!!」


なに半ギレなってんだよ さっきまでオドオドしてたくせに


「なに目当てだよ わたしのなに知ってるって言うんよ!!! 好きになられる意味わかんないわ!」


「ちょ、おまえマジか!? 少しくらい自分が目立つからっていい気になってんじゃねーぞ!!!」


「ほらみてみろ どうせわたしの外見だけなんだろ!! つまんねーやつ!!」


高校生になってから何度目の告白?だろう

やっとみんなの成長がわたしに追いついてきたってことなんだろうな

散々今までわたしをイジメてからかってきたくせに…



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