夏の終わりの方のメモ

メランコリック

夏の終わりの方のメモ

ユーフォーキャッチャーのクマのぬいぐるみの視線射て凍て痛て、早足に陽炎の中を駆ける

小熊抱え奈落を封じるグレーチングを踏み抜くと泥の住処に脚を盗られ破れかぶれに枯葉の遊泳、と並行して遊歩道を泳ぎ回りし鯉、やがて涙し宙に跳ね熱射病を患い火花となりて花火の裾と共に雲へ溶けてゆきました


それを観ていたのっぺらぼうな壁が診る病気の青年の心の棘は述べる「この世の人全て挽いて平等な肉団子 そのお団子でお手玉すればそれが平和だ」と おしまいかもね


間延びした夏を駆け抜けようとするように早足な雨がよく降るものだからよく酔った 吐き気の元はそこなのでしょう

そんなことを考えながら更に夏を間延びさせるような歩行をする横を雨粒撥ねて線路は伸びてゆきました

気づけば兆しだけの秋も過ぎてゆきそうです


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