救命胴衣の使い方

 皆様は、どのくらいマリンレジャーに行きますか?

 釣りや海水浴、水上バイクやSAPなど、多岐にわたる楽しみ方がありますね。


 ただ、安全に楽しめると良い思い出になるものですが、どうしても事故も起こってしまいます。


 近年の統計を見ると、年間約200人以上が海難事故で死亡または行方不明になっているそうです。

 釣りでの事故がもっとも多く、次いで遊泳時によるものが多いようです。


 また、悲しいことに、子どもが溺れてしまい、それを助けにいった親が亡くなってしまう事故も多いです。



 海難事故による命の危険を減らすのに有効なのは、やはり救命胴衣です。


 救命胴衣を着用していない場合の生存率が約40~50%であるのに対し、着用していた場合の生存率は80%以上となるデータがあります。


 また、事故状況にもよりますが、救命胴衣の着用の有無で、生存率に2~5倍ほどの差があるとも言われています。


 この差は大きいです。

 ですので、マリンレジャーの際には是非とも救命胴衣を着用してみてください。

 値段は安価なものなら4000円ほどで購入できます。

 命の値段と考えれば破格です。

 子ども用もあります。



 では、救命胴衣について説明します。


 救命胴衣は主に以下の2種類があります。

 ・膨張式

 ・固定式(固形式)


 膨張式は、ガスボンベを備えており、水に落下した際にガスによって膨らむものです。

 コンパクトで軽く、デザイン性が高いものが多く、動きの多い釣り人や漁師の人まで広く普及しています。

 ただし、ガスボンベを使用するため比較的高価になり、また、穴あきやガスボンベの交換などメンテナンスにも気を使うのがデメリットと言えます。

 メンテナンスを怠ると誤作動や作動不慮により効果的な浮力を得られない可能性が高まるので注意が必要です。


 固定式は、浮体によって構成されているので確実な浮力を得られ、比較的安価であるほか、ポケットが多いので収納面でメリットがあります。

 ただ、大きいのでかさばり、若干動きが阻害されるデメリットがあります。


 とはいえ、確実な浮力と後述する理由により、私個人の考えとしては、固定式を推奨します。



 では、着用方法です。

 今回は固定式での説明になります。


 ①袖を通す。

 多くの救命胴衣がベスト状のものですので、まずは袖を通しましょう。


 ②留め具でベルトを留める

 これもイメージはできますね。

 ベルトを留めなければ、適切な浮力は得られません。

 また、近年は股下を通すベルトもあるので、これもしっかり留めましょう。


 ③ベルトを締める。

 一度身体に合わせ、ベルトの長さを適度に身体に密着するように調整しましょう。

 身体と救命胴衣が密着していないと、脱げてしまう可能性があります。


 着用方法は以上になります。

 簡単ですね!

 でも、しっかりと身体に密着させるようにすることは怠らないでください。


 最後に、私が固定式を推奨するもう一つの理由です。


 固定式は膨張式に比べ、構造上身体に密着しやすくなってます。

 また、ベルトの他に取っ手のようなものが取り付けられていることも多いです。

 このことにより『他者からの救助が容易になる』というメリットがあります。

 股下のベルトを通すことで、救助者が救命胴衣を掴んでも簡単には脱げづらくなります。



 この話を機会に、救命胴衣が普及され、悲しい海難事故が減ることを祈っています。

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