サリバン先輩

夏は暑い。

とてもじゃないけど外にいられないので

早々と騎士団の内部に帰った。


すると、中庭で暇をつぶしているサリバン先輩を見かけた。

何をしているのだろう。

ぼんやりとこちらを見つめてくる。

サリバン先輩は私の2つ上の先輩で

担当している小隊もまあうまくいってる感じだったのだけど。


するとサリバン先輩は無言で、自分の担当している小隊の部屋を

視線で誘導してきた。

何かを訴えている。


私はそっと、促された部屋を覗いてみた。

部屋は未処理の書類が散らばっていて

やや荒れている様子だった。


「これは…」


いや、思い当たる事がある。

サリバン先輩の小隊の騎士のサブリーダー的の位置にいた騎士は

ずっと前から女性問題を抱えていたという話を聞いたことがある。

そして、最近、騎士団の反対を押し切って

人気の踊り子と駆け落ち気味に結婚したらしい事。

そして、その騎士がネットで炎上しているらしいこと。(ネットはある。)


どれも、騎士団の仕事とは関係ない

プライベートの問題を抱えた小隊だった事を思い出した。


しかし私にできることは何も無さそうなので

サリバン先輩を気の毒に思いながら

軽く会釈をして

自分の部屋に帰ることにした。

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