Silver snow16*① シンデレラになりたい。
絶対に諦めない。
わたしも
*
12月21日の朝。わたしは1年A組の扉を開けた。
机に伏せ寝してる。
わたしは、ぎゅっと鞄の紐を持ち、
「
「遅ぇよ」
え…起きて…。
「早朝から待ってたんだけど」
早朝から!?
わたしはびっくりするのと同時に頬が熱くなるのを感じた。
「喜ぶな」
「え!? あ、ごめんなさ…」
「ちゃんと来たな」
「
でも…。
「…パーカー貸してくれて、ありがとう」
「あぁ」
「隣座らねぇの?」
座りたい。
だけど、わたしはもう、
ゆらゆらと揺れる鞄の林檎のストラップ。
「
「
わたしは
いつも鞄、右肩にかけてたはず…。
「今日は鞄、左肩なんだね」
「私、ほんとうは左利きなんだ」
「もう真似する必要なくなったから」
わたしは複雑な気持ちに
「
わたしの顔がサァーッと青ざめていく。
「あ…」
「そんなに
「っ…」
わたしは言葉に詰まる。
「それとも、『席返して』って言う為に私のこと待ってたのかな?」
「違…」
「心配しなくても大丈夫だよ」
「私の席、真ん中の3番目の席のままだから」
わたしは唖然とする。
え………。
「なん…で…?」
「…あんな命懸けで走られたら認めるしかないじゃん」
「え? 今なんて…」
「…マラソンの勝負、私の負けだから」
え、負けって…。
「
「隣座らねぇの?」
ぽたっ…。
嬉しくて涙が
わたし、いいんだ。
隣に座ってもいいんだ。
わたしは自分の腕で涙を拭く。
「座る」
声を震わせながら言うと、
ガタッ。
わたしは
夢みたいだ。
今日からまた
わたしは幸せそうに微笑む。
嬉しいな。
「
「
右肩に鞄をかけた
「
「昨日は寒い中、ありがとう」
わたしがお礼を言うと、
「
続けて
「
「うん」
「…お前がただ隣にいたかっただけだろ」
「…それこっちのセリフなんだけど」
「…あのさ
「昼休みに話したいことがあるんだけどいい?」
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