図書室のふたり』
登場人物:
* ミオ: 本作のヒロイン。図書委員のクラスメイト。
(環境音:放課後の図書室。静けさの中、窓の外からセミの声が聞こえる。かすかにエアコンの稼働音)
ミオ: (小さな声で、本を読んでいる)……『すべての謎には答えがあり、すべての答えには理由がある』……。
(近くで、鉛筆の音がカチカチと止まり、溜息が聞こえる)
ミオ: (心の声)……また止まってる。集中してない。
(ミオが静かに立ち上がる音。椅子を引くかすかな音。)
ミオ: (近くに歩み寄り、小声で)…そこ、違う。
(ミオが隣の椅子に座る音。机に教科書とノートを置く音。)
ミオ: (無表情に)……はい、見せて。…別にいいから。
(ミオが、ペンを走らせる音。サラサラと、紙を擦る音が響く。)
ミオ: ここ、こうするの。……いい?……こっち見て。
(ミオが少し身を乗り出し、耳元で囁くように)
ミオ: (囁き声で)……わかる?この公式、この問題だと、ちょっと応用が必要なの。……ふふ、驚いた顔。
(ミオが元の席に戻る音。カサリ、と本をめくる音。)
ミオ: (独り言)……別に、得意じゃない。……好き、なだけ。だって、どんな難しい問題も、最後には必ず答えがあるから。……ふふ、数学って、本みたいでしょ?
(ミオが本を開き、一節を朗読するように)
ミオ: 『この世界に、数学という名の美しい物語がある。』……。
(ミオが本を閉じ、静けさが戻る。窓の外のセミの声だけが響く。)
ミオ: (心の声)……まだ頑張ってる。でも、もうすぐ限界かな。……そろそろ、休憩しなきゃ。
(コツン、と頭を机にぶつける音。)
ミオ: (寝ぼけたような声で)……んん、寝てない…。
(少し驚いたような、嬉しそうな声で)
ミオ: (心の声)…もう、こんな時間。ふふ、今日もたくさん話せた。
(立ち上がる音。椅子が引かれる音。)
ミオ: (少しはにかみながら、小声で)……うん。また明日、ね。
(ハヤトが去っていく足音が遠ざかる。図書室に再び静寂が戻る。)
ミオ: (つぶやくように)……明日も、一緒に勉強しよ……。
(静かな環境音だけが続く)
終わり
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