模様替えがあって
いきなりの模様替えだった。
その年の祭神としてイキガミとなるよう仕向けられている。こうしたことには先達がいるもので、そのひとの導きで
焦がれるどころか慈しんでもいけない身なのだ。
日が暮れ夜が更けて、いつもの山のうえの
いつものように見守ってる目をしているが、これだけ多いのはわたしが逃げないようにが本旨のようだ。すでにわたしを
初めてにせよ何度でもにせよ、
身が一部の隙もない
毛も色も顔も
猪の鳴き声は分からないからモォーとでも鳴いてみようかと思ったら、刈り取ったあとキチンと叩いて柔らかくした干し草が与えられた。
もぉー
それも・・・・が持ってきてくれたんだ、よ。
妻の声がする。若かった時分の妻の声だから、きっと・・・・はうえの子の名前だろう。頬に赤い引っ搔き傷をつけたばかりのうえの子しか、こんな猪や牛に変わった父親に孝行して呉れるはずはないから。
それを思うと、泣けてくる。
泣けてはくるが、干し草の仕上がりの美味さに勝てず、モォーと鳴いてしまうのだ。
二階でひとり、深夜の目覚めとなった夢を記す 安部史郎 @abesirou
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