映画のようなテンポで駆け抜ける、双子地獄の職場コメディ。掛け合いの「間」も、シーン転換のテンポも見事。監督が見たら「1カットも無駄がない」と言うタイプの作品です。空にまで届きそうな爆炎の中、ぶつぶつ文句を言いながら歩いてくる双子――映画のラストシーンなら、まさにこの絵面今のハリウッドが二時間かけてグダグダ語るところを、この作者は一話三千字でやり切る。失われた“間”と“勢い”がここにある。アクション映画みたいな小説を読みたいなら、迷わずこれ。
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