あの音の正体は分かった。でも…一体、何が。

あれ以来、部屋の片隅から 音 がする。
聞いた事もない様な、奇妙な音だ。
動物なのか、それとも何かもっと別の…。

主人公の わたし には誰もが羨む素敵な
恋人がいた。それに関してはある事ない事
綯い交ぜにして彼方此方で噂になって
いるのは知っていた。
 同期のサエだけは心配そうに、慰めて
くれるけれども。

  わたし の心は、冷め切っていた。

彼女に半ば強引に誘われて行った焼肉店で
漸く、わたし の心に光が差した。

そうか、あの 音 は。

これは人の感覚を有する得体の知れない
 何か が、別種の得体の知れない
   何か に不審を抱く物語。因って、

怪異の正体は分からない。

 ただ、そこに辿り着く 結果 だけが
残されて行く。
      
        そう、今も着々と。

その他のおすすめレビュー

小野塚 さんの他のおすすめレビュー1,589