ムルとピカタのほのぼの日常物語

ほちゅる

第1話


ピカムル物語・第1話「朝のパン騒動」


朝のシェアハウス。

まだ眠気の残る空気の中、ピカタはトースターの前でじっと立ち尽くしていた。


「……なあムル。これ、なんでパンが黒くなるんだ?」


「焼いてるからだろ」

ぼんやりした返事をしながら、ムルはテーブルにマグカップを並べていた。


ラカカがあくびをしながらリビングに入ってくる。

「おはよ……なんか焦げ臭くない?」


その後ろからタシャも現れ、髪をひとつに結びながら眉をひそめる。

「アンタら、また朝から何やらかしてんの?」


ピカタは真剣な顔でトースターを睨み続ける。

「でもさ、これ……焼く前のパンより小さくなってない? もしかして、ちょっとずつ食われてんじゃないのか?」


「……それはお前の胃袋に入る分が減ってるだけだよ」

ムルは肩をすくめて答えた。

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