黒い神様
昼月キオリ
黒い神様
こんな私が一番欲しいもの。
私が一番欲しいものは"好きな人との時間"。
それは今も昔もずっと変わらない。
ただそれを黒い神様が許してくれない。
黒い神様は黒いローブを着た異質な存在。
幸せという石を積んでは崩され、積んでは崩され、その繰り返し。
ここは賽の河原なのだと思う。
いつだって好きな人とは上手くいかなかった。
もういいよ。もういいよ。積むのを辞めるから崩しに来ないで。
私は期待すること、望むこと、信じることを辞めた。
幸せの石を積めば黒い神様に崩される。
だからいつしか石を積むことさえもしなくなった。
私はこの黒い神様に逆らえない。
だって黒い神様は大きくて鋭利な鎌を持っているから。
私は今日も一番欲しいものを心の奥に眠らせた。
黒い神様 昼月キオリ @bluepiece221b
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます